糖尿病内科
糖尿病内科
人生100年時代、真に重要なのは「健康寿命」です。当院は、平均寿命との間にある約10年の「不健康な期間(男性8.5年・女性11.6年)」を極限まで縮め、最期まで自立した人生を守ることを使命としています。

日本糖尿病学会「糖尿病の死因に関する調査委員会」
日本人一般と糖尿病の方の平均寿命の差は縮まってきています。これらのデータは、糖尿病治療の進歩を示す重要な指標と考えられます。
あなたは糖尿病のリスクがある?簡単な質問に答えてリスクを知りましょう。
4つ以上当てはまる方は糖尿病の可能性があります。
医療機関への受診をお勧めします。
糖尿病とは、血糖値が慢性的に高くなってしまう病気で、糖が尿に漏れるため糖尿病と呼ばれています。
国民の5人に1人、40歳以上では3人に1人が糖尿病あるいは予備軍であり、まさに国民病と言えます。

血糖値が180mg/dLを超えると、余分な糖が水分を巻き込んで尿へ排出されるため、尿の量や回数が急増し(多尿)、体が脱水状態に陥ります。

日本人の糖尿病の95%がこのタイプになります。この糖尿病は、もともと血糖値を下げるインスリンの分泌が少ない体質に、過食や運動不足、肥満などの生活習慣が加わることで、インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)ために起こります。その結果、血糖値が異常に高くなるのが特徴です。特に40歳以降の方に多く見られます。

糖尿病の家系は糖尿病発症率は3倍高い。
両親のどちらかが糖尿病の場合、発症リスクは30〜40%、両親ともに糖尿病の場合は50〜70%に上がると言われています。

生活習慣や遺伝以外にも、ステロイド等の薬剤、ホルモン異常、ウイルス感染、膵炎・膵臓がんなどが原因で糖尿病が発症することがあります。 特に「急激な血糖値の悪化」や「原因不明の体重減少」が見られる場合は、背後にこれら別の病気が隠れている可能性があります。

正常(オレンジ線):食後の血糖値は120くらいまでしか上昇しません。
境界型(水色線):食後の血糖値は200くらいまで上昇しますがすぐに下ります。
糖尿病(赤線):食前から血糖値が高く、食後の血糖値は200以上に上昇し、下がりにくくなります。

1度の検査で(1)~(3)のうちの1つと(4)が同時に確認された場合、もしくは(1)~(3)が2回確認された場合に糖尿病と診断されます。
測定の際には、前回の食事から約10時間以上経過した状態で血液を採取します。

健康診断では空腹時血糖値を主に測定するため、糖尿病の初期段階で見られる食後高血糖(血糖値スパイク)が見逃されることがあります。より正確な診断や糖尿病の早期発見には、ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うことが必要です。
随時血糖値は、食事のタイミングに関係なく測定される血糖値です。基準値として200㎎/dL以下が正常とされています。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖状態を示す指標です。赤血球内のヘモグロビンに糖が何%結合しているかを表し、血糖値が高い状態が続くほどこの数値は高くなります。

HbA1c5.5〜5.9%:糖尿病リスクがあると考えられるため、ブドウ糖負荷試験(OGTT)を推奨しています。
HbA1c6.0〜6.4%:糖尿病リスクが高い状態と考えられ、OGTTを強く推奨しています。

HbA1c 5%程度(正常) 血糖値は70〜140mg/dLの範囲内にきれいに収まっており、健康な状態です。
HbA1c 6.5%超(糖尿病) 食後などに血糖値が200mg/dLを超える時間が長くなり始めています(隠れ高血糖の顕在化)。
HbA1c 7〜9% 食後高血糖に加え、本来下がるべき「空腹時」の血糖値までもが上昇してしまっている状態です。
75gのブドウ糖液を摂取して血糖とインスリンの変動を2時間にわたり追跡し、通常の検診では見抜けない「食後高血糖」や「インスリン分泌能」を正確に評価する精密検査です。 糖尿病の確定診断だけでなく、将来のリスクや隠れ糖尿病(境界型)を早期発見し、最適な治療方針を決定するために極めて重要です。
【強く推奨(現在、糖尿病の疑いがある)】
空腹時血糖値:110~125 mg/dL
随時血糖値:140~199 mg/dL
HbA1c:6.0~6.4%
【検討が望ましい(将来のリスクが高い)】
空腹時血糖値:100~109 mg/dL
HbA1c:5.6~5.9%
高血圧、脂質異常症、肥満がある方
ご家族に糖尿病の方がいる方
| 状態 | 空腹時血糖値 | 2時間後血糖値 |
|---|---|---|
| 正常 | <110mg/dL | <140mg/dL |
| 境界型(耐糖能異常) | 110-125mg/dL | 140-199mg/dL |
| 糖尿病 | ≧126mg/dL | ≧200mg/dL |
空腹時の血糖値が基準値範囲内でも、食後の血糖値が180mg/dl以上やインスリン初期分泌が低い場合は将来、糖尿病に進行するリスクが高いため注意が必要です。また、境界型も糖尿病を発症する可能性が高く、動脈硬化が進みやすいとされていますので、普段の食事や運動に気をつけるとともに、定期的に検査を受けるようにしましょう。
血糖値が高い状態が続くと血管が傷ついていきます。とくに細い血管(毛細血管)は影響を受けやすく、毛細血管が集中する網膜、腎臓、手足の神経に早いうちから障害が現れてきます。これが三大合併症(細小血管障害)といわれる「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」です。

また、高血糖の状態は毛細血管だけではなく、太い血管にも影響を与え、大血管障害と呼ばれる脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる重大な病気を引き起こすこともあります。
高血糖の状態を放置しておくと、失明、透析、手足の壊疽(えそ)などを引き起こす可能性もありますので、きちんと治療を受け、合併症を予防していくことが重要です。
糖尿病は初期には症状がありませんが、放置すると5〜15年で深刻な合併症が現れます。 まず足の切断を招く「神経障害」、次に失明に至る「網膜症」、最後に透析生活を強いられる「腎症」の順で進行します。 症状がなくても水面下でこれらの合併症が静かに進んでいるかもしれません。

糖尿病性神経障害は、糖尿病の3大合併症の一つで、長期間の高血糖状態が全身の神経にダメージを与える疾患です。感覚神経、運動神経、自律神経に影響を及ぼし、手足のしびれや痛み、感覚鈍化、立ちくらみ、消化不良、発汗異常など多様な症状を引き起こします。血糖コントロールが最大の予防策とされ、症状に応じた治療が必要です。

合併症のサインは、手足のしびれや冷え、「砂利の上を歩くような感覚」から始まります。 手足の先から左右対称に出ることが特徴的です。

糖尿病性神経障害が進行すると痛みや温度に対する感覚が鈍くなったりします(けがや火傷の痛みに気づかないなど)。特に糖尿病の足では、微小循環障害もあり、壊疽(組織が壊死する状態)に至ることがあります。場合によっては足の切断を余儀なくされる場合もあります。足先が紫色や黒く変色する場合は、速やかに医師に相談することが重要です。
自律神経は心血管、消化管、膀胱など臓器の調節をしており、そこが障害されると発汗異常、胃腸症状、排尿障害、勃起不全、立ち眩み、無痛性心筋梗塞などの症状が現れます。
糖尿病性神経障害は、進行するにつれて日常生活の質に大きく影響を与える可能性があるため、早期の発見と適切な治療が重要です。血糖値の厳密な管理と、定期的な検査が予防と進行抑制の鍵となります。
糖尿病性網膜症は、糖尿病によって網膜の毛細血管が傷つく病気です。初期には自覚症状が乏しいため、知らないうちに進行することが多いです。進行すると視力低下や眼内出血を引き起こし、重症化すれば失明に至ることもあります。日本人の失明原因の第2位を占めています。

日本糖尿病眼学会ホームページ
①単純網膜症:小さな出血やシミが出始めますが、まだ自覚症状はほぼありません。
②前増殖網膜症:血管が詰まり酸素不足が進行しますが、依然として症状を感じない危険な時期です。
③増殖網膜症:脆い新生血管が破裂し、眼底出血や網膜剥離による失明の危機が直面に迫ります。

①眼底検査を定期的に受ける:
糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても眼底検査を定期的に受け、網膜の状態を確認しましょう。初期段階では症状が現れないため、検査で早期発見することが重要です。医師の指示に従い、半年~1年に1回の検査を受けることをおすすめします。
②血糖コントロールを徹底する:
血糖値を良好に保つことで、網膜症の進行を遅らせることができます。食事療法、運動療法、薬物療法を継続的に行いましょう。HbA1c値を目標範囲に保つよう努力してください。
糖尿病腎症は、高血糖が腎臓の「ろ過フィルター(糸球体)」を破壊し、尿にタンパク(アルブミン)が漏れ出す合併症です。 放置すると老廃物を排出できなくなり、最終的に人工透析が必要となるため、尿検査による早期発見が大切です。


日本の人工透析の原因は、糖尿病腎症が最も多く、現在も増加し続けています。継続的な血糖コントロールと定期的な尿検査を行っていくことが大切です。
正常な腎臓では糸球体の毛細血管は傷んでおらず、タンパク(アルブミン)は漏れません。

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、腎臓内の糸球体の毛細血管に大きな負担がかかり、傷つきやすくなります。その結果、通常は尿に含まれないタンパク(アルブミン)が尿中に漏れ出てきます。これをアルブミン尿と呼びます。

初期段階では自覚症状がほとんどありません。自覚症状が現れる前に、定期的な尿検査で早期発見することが非常に重要です。
| 正常 | 早期腎症 | 顕性腎症 | |
|---|---|---|---|
| 尿中アルブミン | 30未満 | 30〜299 | 300以上 |
mg/g・Cr
糖尿病性腎症ではまず出てくる症状がアルブミン尿です。

アルブミン尿が多い程、腎機能の低下速度が速くなる。腎機能の悪化を防ぐためには、アルブミン尿を減らすことが重要になってくる。
太い血管を襲う「え・の・き」の恐怖 高血糖は血管内にプラーク(油の塊)を作り、動脈硬化を進行させます。ある日突然命を奪うのが「え(壊疽・足の病気)」「の(脳卒中)」「き(虚血性心疾患)」です。

HbA1cが1%上がるだけで、脳卒中リスクは12%、心筋梗塞などは18%、足の病気は25%も上がることが分かっています。

実は、糖尿病は血管だけでなく「がん」の発生リスクも高めることが分かっています。 日本人約33万人を対象とした大規模な調査によると、糖尿病があるだけで、がん全体のリスクが1.2倍になります。
特に注意が必要なのは以下の3つです。
肝臓がん:約 1.97倍 (約2倍)
膵臓がん:約 1.85倍 (約2倍)
大腸がん:約 1.40倍
糖尿病の方は「がん検診」を受けることが命を守る鍵となります。定期的な検査を必ず受けましょう。

糖尿病は脳にも影響し、アルツハイマー型認知症のリスクを「予備群で1.6倍」「糖尿病で約2.1倍」に引き上げます(久山町研究)。 「予備群」の段階ですでにリスクは高まっているため、早期の血糖コントロールこそが将来の認知症予防のカギとなります。

糖尿病 2024年67巻2号より作図
参考:https://www.jds.or.jp/uploads/files/article/tonyobyo/67_106.pdf
糖尿病は単に血糖が高いだけでなく、白血球(免疫細胞)の働きを弱め、ウイルスや細菌への抵抗力を奪う病気です。
なぜ重症化するのか:「免疫力の低下」に加え、「血流が悪く薬が届きにくい」「神経障害で傷に気づかない」ことが原因です。
注意すべき感染症:肺炎・インフルエンザ、尿路感染症(膀胱炎)、足の感染症(壊疽)、歯周病。
感染症にかかると血糖値が急上昇し、さらに病状が悪化する「悪循環(シックデイ)」に陥りやすいため、小さな体調変化でも早めの受診が命を守ります。
–>
糖尿病の合併症は、早期に治療を開始し、定期的な検査を行うことで、その発症や進行を抑えられることが証明されています。あなたの10年後、20年後の健康を守るための「3つの鉄則」をお伝えします。
「糖尿病は、診断直後の治療が一番大切」と言われるのには、科学的な理由があります。
それが「遺産効果(レガシー・エフェクト)」です。
英国(UKPDS)や米国(DCCT/EDIC)で行われた大規模な追跡調査で、衝撃的な事実が判明しました。
高血糖を放置すると、血管や細胞の遺伝子に「悪い記憶(炎症)」が刻まれてしまいます。
逆に、早期から治療すれば「良い記憶」が刻まれ、将来の老化や動脈硬化から体を守ってくれます。(メタボリック・メモリー)
(出典:UKPDS 35)
大規模な臨床研究(UKPDS)により、HbA1cを下げることが合併症予防に直結することが証明されています。


The New England Journal of Medicine. 1993;329:977-986.
上のグラフは、世界的な臨床研究(DCCT)で証明された「厳格な血糖管理による合併症予防効果」です。
早期からしっかりと血糖値をコントロールすることで、細い血管の病気(し・め・じ)のリスクをこれだけ減らすことができます。
(出典:The New England Journal of Medicine. 1993;329:977-986.)
HbA1cは、過去1〜2ヶ月の「血管の傷つきやすさ」を示す成績表です。
下のグラフが示す通り、HbA1cが高くなればなるほど、網膜症・腎症・神経障害の発症リスクは急激に上昇します。
逆に言えば、HbA1cを少しでも下げることができれば、リスクは確実に減らすことができます。

「とにかく低ければいい」というわけではありません。年齢や認知機能、使っている薬によって、安全な目標値は異なります。
合併症を予防するための一般的な目標値です。
対応:64歳以下の方、お元気な高齢者の方
血糖正常化を目指す際の目標値です。低血糖を起こさずに達成できる場合に目指します。
対応:妊娠中の方、若い方、薬を使っていない方
低血糖は認知症のリスクを高めるため、高齢者や認知機能が低下している方は、あえて目標を緩めます。
対応:75歳以上の方、低血糖のリスクがある薬(インスリン・SU薬など)を使っている方
簡易計算式:「年齢 ÷ 10」
(例:62歳なら 6.2%、75歳なら 7.5% を目安にする考え方もあります)
治療によって尿タンパクを50%以上減らすことができれば、透析や入院のリスクを「59%」も減らせることが分かっています。
近年、血糖値を下げるだけでなく、直接的に腎臓を保護し、尿タンパクを減らす薬が複数登場しています。
(出典:Araki S et al. Diabetes 2007;56:1727-1734)
合併症は「ある日突然」起きるわけではありません。水面下で静かに進行します。
だからこそ、症状がないうちに定期検査で「火種」を見つけることが重要です。当院では以下の検査を定期的に実施しています。

合併症は「ある日突然」起きるわけではありません。水面下で静かに進行します。
だからこそ、症状がないうちに定期検査で「火種」を見つけることが重要です。
当院では、血管だけでなく「がん」のリスク管理も含めた全身チェックを行います。
一般的な尿検査(タンパク尿)で陽性が出るよりもずっと早い段階、「微量アルブミン」の時期に見つければ、腎臓は回復可能です。
「タンパク尿が出てから」では遅いのです。

「目が見えにくい」と感じた時には、すでに眼底出血が進んでいることが多いです。
当院では眼科と連携し、定期的な眼底チェックを推奨しています。

糖尿病は全身の「血管病」であり、無症状のまま心不全や脳梗塞が進行します。 当院では、心臓エコー(心機能)や頸動脈エコー(血管の詰まり・プラーク)で全身のリスクを可視化し、致命的な発作を未然に防ぐための早期発見・早期治療を重視しています。


糖尿病の方は、痛みのない心筋梗塞(無痛性心筋梗塞)や不整脈を起こしやすい傾向にあります。
自覚症状がなくても定期的に心電図をとることで、命に関わる心臓病のサインを早期にキャッチします。

糖尿病の方は心血管病、感染症、がんなどのリスクが高いとされています。これらの疾患は自覚症状がないまま進行することも多いため、胸部レントゲンを撮影することでこれらの疾患を早期に発見できる可能性があります。

「糖尿病と診断された」「急に血糖値が悪化した」
実はこれらは、隠れた「膵臓がん」の初期サインである可能性があります。
また、糖尿病の方に多い脂肪肝は、将来の「肝臓がん」のリスクになります。胆嚢、腎臓、膀胱、子宮、前立腺など他の病気の発見にも役立ちます。

合併症を完璧に防ぐには、血糖値だけでなく、血圧、脂質(コレステロール)、体重、睡眠、禁煙のすべてを管理する「トータルケア」が必要です。
–>
糖尿病治療の基本は、あくまでも「食事療法」と「運動療法」です。
これらを土台とし、必要に応じて患者様の体質や生活スタイルに最適な「薬物療法」を組み合わせることで、無理なく血糖値をコントロールし、健康な人と変わらない生活を目指します。
① ベジファースト・プロテインファースト:
野菜(食物繊維)やたんぱく質を先に食べましょう。ドレッシングには「オリーブ油、亜麻仁油、エゴマ油+酢」を活用し、たんぱく質摂取から5から10分ほど間隔を空けて炭水化物を摂ると効果が高まります。
② よく噛んで食べる:
早食いや汁での流し込む食べ方は血糖値の上昇を招きます。20分以上かけてよく噛んで食べることで、インスリンの分泌を助け、血糖値を安定させます。
③ 茶色い炭水化物を選ぶ:
白米やパンよりも、食物繊維が豊富な「全粒粉・玄米・もち麦」がおすすめです。極端な糖質制限は避け、炭水化物は総カロリーの50%を目安に摂取しましょう。
④ 血糖値を下げる栄養素:
代謝を助けるビタミンB群、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムを意識して摂ることが大切です。
① 「食後すぐ」がゴールデンタイム:
運動のタイミングは「食後すぐ」が最も効果的です。1回にまとめて行うよりも「毎食後15分」ずつに分ける方が、血糖上昇を効率的に抑制できます。
② 下半身を動かす:
筋肉量の多い下半身を使うスクワットやウォーキングを、食後早め(30分以内)に取り入れるのがおすすめです。
③ 座りっぱなしを防ぐ:
座りっぱなしは血糖値を悪化させます。デスクワークやテレビ視聴の合間にも、こまめに立ち上がるだけで効果があります。
食事・運動療法を行っても血糖コントロールが不十分な場合、薬物療法を検討します。
近年、糖尿病治療薬は劇的に進化しました。
当院では、従来の飲み薬やインスリンに加え、「脳・胃・すい臓」の3方向から作用し、「体重減少効果」や「臓器保護効果」も併せ持つ新しい薬剤(GLP-1受容体作動薬など)を積極的に導入しています。
食後に小腸から分泌されるホルモン「GLP-1」の力を利用したお薬です。
⚫︎すい臓へ: 血糖値が高い時だけインスリン分泌を促す(低血糖が少ない)。
⚫︎胃へ: 食べ物の排出を遅らせて、食後の急激な血糖上昇を抑える。
⚫︎脳へ: 食欲を自然に抑え、食べ過ぎを防ぐ。

マンジャロは、GLP-1に加えて「GIP」というもう一つのホルモンの作用も併せ持つ、世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。
⚫︎強力な効果: 従来のGLP-1製剤(オゼンピック等)と比較しても、より強力な「血糖改善効果」と「体重減少効果」が臨床試験で報告されています。
⚫︎日本人データ: 日本人を対象とした試験でも、優れた血糖低下作用と体重減少効果が確認されています。
①消化器症状:最も多い副作用は嘔気で、特に投与初期に見られることが多いです。そのほか、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感などの消化器症状も頻繁に報告されていますが、治療を続けるうちに軽減する傾向があります。
②食欲低下:食欲抑制効果が強すぎる場合、過度の食欲低下が現れ治療継続が困難となることがあります。
③注射部位の反応(少ない):注射薬を使用する場合、注射部位の腫れやかゆみ、紅斑などの局所的な反応が起こることがあります。
| タイプ | おすすめの薬剤 | 特徴 |
|---|---|---|
| 肥満・体重が 気になる方 |
● マンジャロ (チルゼパチド) ● オゼンピック |
強い食欲抑制・体重減少効果が期待できます。 ※マンジャロはHbA1c低下効果も最強クラスです。 |
| 痩せ型・ 高齢の方 |
● トルリシティ (デュラグルチド) |
消化器症状(吐き気など)が少なく、体重減少効果もマイルド。 安全性が高く、続けやすいお薬です。 |
| 注射が 苦手な方 |
● リベルサス (セマグルチド経口薬) |
唯一の「飲み薬」タイプのGLP-1です。 ※起床時の空腹時に服用し、その後30分は飲食禁止です。効果は注射薬に劣ります。 |

N Engl J Med. 2021; 385:6:503-515.より改変
また、下図のように両薬剤ともに血糖コントロールに優れていますが、マンジャロの方がHbA1cの低下効果が大きいと報告されています。

N Engl J Med. 2021; 385:6:503-515.より改変

Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):634-644.より改変
日本人においても優れた体重減少効果を認めました。

Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):634-644.より改変
血糖低下作用においても大変優れた効果を認めています。

Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):634-644.より改変
マンジャロは血圧低下効果も認めており、将来の心血管イベント抑制効果が期待されていますが、長期データが不足しているため、今後の臨床試験結果を注視する必要があります。一方、オゼンピックは心血管イベントリスク低減効果が証明されており、心血管疾患の既往がある患者にとって重要な選択肢です。いずれの薬剤も優れた効果を持つため、患者の体重、血糖状態、心血管リスク、忍容性を考慮して適切に使い分けることが求められます。
「インスリン=最後の手段」ではありません。
高血糖が続くと、すい臓は無理をしてインスリンを出し続けるため、やがて疲弊してしまいます。さらに、インスリン自体の効きも悪くなってしまいます(糖毒性)。
早めにインスリンを使って血糖値を下げることで、疲れたすい臓を休ませ、本来の機能を回復させることができます。
その結果、低下していた「インスリンの効き」も改善し(糖毒性の解除)、再びご自身のインスリンで血糖値をコントロールできるようになることも期待できます。

【図の解説】
左側:インスリンが働かないと、細胞にブドウ糖が届かず、血管に溢れてしまいます。
右側:インスリンが働くようになると、ブドウ糖がスムーズに細胞へ運ばれ、すい臓も休憩できます。
検診で糖尿病を指摘され受診されました。まずは2週間、血糖値を持続測定できる「リブレ」を装着し、ご自身の血糖変動を観察していただきました。

結果:薬を使わず、「食べ方の工夫」で血糖値の変動が抑えられました。
長年、毎食直前に速効型インスリン(計30単位)を打っていましたが、「注射を減らせないか」とご相談をいただきました。
そこで、最新の週1回製剤「マンジャロ」への切り替えをご提案しました。

結果:注射の回数が「週21回→週1回」に激減。QOLが向上しました。
1型糖尿病は、膵臓のインスリンを分泌するβ細胞が破壊され、インスリンが分泌されなくなる状態です。遺伝的な素因や環境要因(ウイルス感染など)が原因となって、自分の体が誤って膵臓のβ細胞を攻撃し、破壊してしまいます。小児期から発症します。
1型糖尿病の治療には、インスリン注射が不可欠です。インスリン注射によって、不足しているインスリンを補い、血糖値をコントロールします。
1型糖尿病は、自己免疫疾患によって引き起こされる病気であり、インスリンが不足することで発症します。インスリン注射、食事療法、運動療法など、適切な治療と管理を行うことで、合併症を予防し、健康な生活を送ることができます。
インスリンポンプは、1型糖尿病などの患者さんが、インスリンを注射器で打つ代わりに、小さなポンプを使って皮下へ直接、持続的に注入する医療機器です。まるで人工の膵臓のように働き、血糖値をより細かくコントロールできるのが特徴です。
インスリンポンプは、小さなコンピューターとインスリンを貯蔵するリザーバー、そしてインスリンを体内に注入するための細いチューブで構成されています。このチューブは、皮膚の下に埋め込まれた小さなカテーテルにつながっており、そこからインスリンが少しずつ注入されます。
インスリンポンプを使用するには、医師や看護師からの丁寧な指導を受ける必要があります。血糖値を測りながら、ポンプの設定を調整し、インスリンの量や注入速度を決定します。
インスリンポンプは、1型糖尿病の治療において重要な役割を果たしています。しかし、すべての患者さんに合うわけではありません。医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解した上で、治療法を選択することが大切です。
もし、インスリンポンプについてさらに詳しく知りたい場合は、医師や看護師、または糖尿病専門の医療機関にご相談ください。
妊娠糖尿病は妊娠中に初めて発見される血糖値がやや高い状態で、胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリンの働きが抑えられ(インスリン抵抗性)、血糖値が上がりやすくなります。その結果、胎盤を通して過剰なブドウ糖が胎児に渡り、胎児が過剰に発育したり、早産や低血糖などのリスクが高まることがあります。

妊娠糖尿病の危険因子には加齢、肥満、糖尿病の家族歴、尿糖陽性、巨大児出産の既往、妊娠中の過度な体重増加などが挙げられます。
妊娠糖尿病は、母親と赤ちゃんに様々な影響を及ぼす可能性があります。
妊娠糖尿病の診断には、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)という検査が行われます。この検査では、糖液を飲んだ後の血糖値の変化を測定し、妊娠糖尿病かどうかを判断します。
妊娠糖尿病の治療法としては、以下のものが挙げられます。
妊娠糖尿病のリスクを減らすためには、妊娠前から健康的な生活を送ることが重要です。
妊娠糖尿病は、早期発見と適切な治療によって、母親と赤ちゃんの健康を守ることができます。妊娠中に血糖値検査を受けることは非常に重要です。もし、妊娠糖尿病と診断された場合は、医師の指示に従い、治療を続けることが大切です。

・ステロイド薬: 炎症を抑える強力な薬ですが、インスリンの効きを悪くしたり、肝臓で糖が作られやすくなったりして血糖値を上げます 。
・その他のお薬: 免疫抑制剤、一部の降圧剤や精神科の薬、インターフェロン、抗がん剤(免疫チェックポイント阻害薬など)も原因となり得ます 。
血糖値を上げるホルモンが過剰に分泌される病気が原因となることがあります。
・クッシング症候群(コルチゾール過剰)
・先端巨大症(成長ホルモン過剰)
・甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモン過剰)
・褐色細胞腫(アドレナリンなど過剰)など
急な体重の増加、顔つきの変化、血圧やコレステロールの急な悪化などがあれば、ホルモンの病気が隠れている可能性があります
・ウイルス感染が引き金に:ウイルスが膵臓の細胞を壊したり、自己免疫反応を誘発したり、 1型糖尿病の発症に関与する可能性があります。
・先天性風疹症候群: 母親が妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんが将来糖尿病を発症するリスクが高まります。
膵炎や膵臓がんなどで膵臓がダメージを受けると、インスリンを作る能力が低下し糖尿病になることがあります(膵性糖尿病)。50歳以上で急に糖尿病になったり、急激に血糖コントロールが悪化したり、原因不明の体重減少がある場合は、膵臓がんの可能性を疑います。
・若年発症成人型糖尿病 (MODY): 比較的若い年齢(25歳未満など)で発症し、家族に糖尿病の方が多い(常染色体優性遺伝)のが特徴です。MODY1~MODY14以上に分類され、症状や治療法が異なります(例:MODY2は軽症、MODY3はSU薬が著効)。
・ミトコンドリア糖尿病: ミトコンドリアDNAの変異が原因で、母親から子へ遺伝する「母系遺伝」の形式をとります。多くの場合、感音性難聴を伴い、心筋症や脳症なども起こりやすいとされます。
初期には無症状です。
高血糖が続くと、喉の乾き、頻尿、疲労感、体重減少、視力の低下などが見られるようになります。詳しくはこちら
正常は食前血糖値100未満で食後血糖値140未満です。
糖尿病は食前血糖値126以上で食後血糖値200以上です。
糖尿病の完治は難しいですが、寛解する場合があります。
すなわち、食事、運動療法によって、薬を使わずに血糖値を正常範囲内に維持できる場合があります。
ウォーキングなどの有酸素運動が有効です。食後に行うことで血糖値の急上昇を防ぐことができます。
筋肉トレーニングを取り入れると、より効果的に血糖値を下げられます。
低糖質や低GI食材を使用したスイーツがおすすめです。例えば、低糖質のナッツ、豆腐、おから、低GI食材の寒天を使ったケーキやプリンなど。
また、エリスリトールやステビアといった血糖値への影響が少ない甘味料を使用すると血糖値への影響を抑えられます。
| サプリメント | 作用 | HbA1c |
|---|---|---|
| α-リポ酸 | インスリンの感受性改善 | 0.5〜1.0%低下 |
| ビタミンD | インスリン分泌、感受性改善 | 0.3〜0.5%改善 |
| クロム | 空腹時血糖値10〜15%低下 | 0.5〜1.0%改善 |
| 亜鉛 | 空腹時血糖値5〜10%低下 | 0.3〜0.7%改善 |
| マグネシウム | 空腹時血糖値5〜10%低下 | 0.3〜0.5%改善 |
| 食物繊維(水溶性) | 糖分の吸収を緩やかに | 0.3〜0.5%低下 |
①早期診断と予防の強化:糖尿病の早期発見が進み、適切な治療が早期から開始されることにより、合併症の予防が可能になっています。
②治療薬の進化:GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬といった新しいクラスの薬剤が登場し、低血糖を起こさない血糖管理に加え、心血管リスクの低減や腎保護作用も得られるようになりました。
③医療技術の向上:インスリンポンプや持続血糖測定(CGM)といった技術が普及し、より安定した血糖管理が可能になっています。
すい臓からのインスリン分泌が少なくなると、ブドウ糖が細胞に渡らず血液中に余ります。その結果、血糖値は上がります。(インスリン分泌不全)

肥満などによってインスリンが作用できないと、ブドウ糖が細胞内に運ばれないため、血糖値は上がります。(インスリン抵抗性)

インスリン(鍵)の効きが悪くなり、血液中に糖が溢れている状態です。「蛇口とバケツ」のイラストでイメージしてください。
| HbA1c(%) | 平均血糖値(mg/dL) |
|---|---|
| 5.0 | 97 |
| 6.0 | 126 |
| 7.0 | 154 |
| 8.0 | 183 |
| 9.0 | 212 |
| 10.0 | 240 |
HbA1cは平均血糖値と相関します。
糖尿病が疑われる方に対して、75gのブドウ糖を含んだサイダーを飲んだ後、2時間の血糖値とインスリンの分泌の変化を採血を行うことで詳しく調べる検査です。
①血糖値の変動パターン
②糖尿病の可能性
③糖尿病予備群の可能性
④将来的な糖尿病のリスク評価
⑤生活習慣改善のポイント
・空腹時血糖値が110~125 mg/dL
・随時血糖値が140~199mg/dL
・HbA1cが6.0~6.4%
・高血圧、脂質異常症、肥満など動脈硬化リスクを持つ場合
・空腹時血糖が100~109mg/dL
・HbA1cが5.6~5.9%
・濃厚な糖尿病の家族歴や肥満が存在するもの



| 状態 | 空腹時血糖値 | 2時間後血糖値 |
|---|---|---|
| 正常 | <110mg/dL | <140mg/dL |
| 境界型(耐糖能異常) | 110-125mg/dL | 140-199mg/dL |
| 糖尿病 | ≧126mg/dL | ≧200mg/dL |
空腹時の血糖値が基準値範囲内でも、食後の血糖値が180mg/dl以上やインスリン初期分泌が低い場合は将来、糖尿病に進行するリスクが高いため注意が必要です。また、境界型も糖尿病を発症する可能性が高く、動脈硬化が進みやすいとされていますので、普段の食事や運動に気をつけるとともに、定期的に検査を受けるようにしましょう。

75gOGTTは、糖尿病の早期発見に有効であり、将来糖尿病に進行するリスクも予測できるため、糖尿病の予防にも有効だと考えられます。血糖値が気になる方はOGTTを受けることをお勧め致します。
採血で、血液中のインスリン濃度を測定できます。血糖値を同時に見ることで、血糖値とインスリンとのバランスを確認できます。血糖値が高いのにインスリンの量が少ないインスリン分泌能低下や、インスリン量が多いのに血糖値が下がらないインスリン抵抗性などがわかり、糖尿病の状態をより詳細に知ることができます。
膵臓からインスリンが分泌される際に、インスリンに付着して出てくるタンパク質がCペプチドです。Cペプチドの量を測ることで、膵臓から出たインスリンの量を推測することができます。血液中のCペプチド濃度が0.5ng/ml以下時はインスリン分泌が不十分と考えられ、インスリン治療の必要性が高いと判断されます。
インスリン分泌指数(Δインスリン/Δ血糖値)は、血糖値の上昇に対してすい臓がどれだけインスリンを分泌できているかを評価する指標です。空腹時とブドウ糖負荷後のインスリン値と血糖値の変化量を比較して計算します。この指数が0.4以下の場合、インスリン分泌能が低下していることを示し、糖尿病への進展リスクが高いことを示しています。
空腹時の血糖値とインスリン値を用いて計算し、すい臓がどれだけインスリンを分泌できているかを推定します。
空腹時の血糖値とインスリン値を用いて計算し、体がインスリンにどれだけ反応しているか(インスリン抵抗性)を推定します。1.6以下は正常、2.5以上はインスリン抵抗性があると考えられる。

ご自宅でできる簡易の血糖測定です。指先などの皮膚に針を刺し、わずかな血量で血糖値を測定します。インスリン注射薬などで治療を行っている方は、公的医療保険が適用されます。
センサーを装着することによって血糖値をスマホで見ることができます。食事や運動による血糖値の変化を確認できます。



神経障害の程度を調べるために、アキレス腱反射、振動覚検査、触覚、痛覚検査、神経伝導検査などを行います。

神経障害の初期は自覚症状がなく、振動覚の低下を認める。その後、神経障害が進行すると、感覚障害(手足のしびれ)→自律神経障害(起立性低血圧、発汗異常、便通異常)→下肢筋力低下の症状が現れてくる。
①原因治療:
血糖変動を考慮した血糖管理、生活習慣の改善(血圧管理、禁煙、禁酒、体重維持など)、初期にはエパルレスタットを使用
②対症療法:
プレガバリン、ミロガバリン、デュロキセチン、アミトリプチリンなどを併用し、必要な場合はトラムセット(トラマドールとアセトアミノフェンの配合薬)を使用する。支持療法としてノイロトロピン、牛車腎気丸、芍薬甘草湯、消炎鎮痛薬などを併用する。急性症状にはメキシレチンを使用する。
③フットケア:
定期的な足の観察、爪や胼胝のケア、足病変のケアを行う。

| 腎不全 | 正常 | 軽度 | 中等度 | 高度 | 末期 |
|---|---|---|---|---|---|
| GFR | 89〜60 | 59〜45 | 44〜30 | 29〜15 | 15未満 |
mL/min/1.73㎡


この2022年のメタアナリシス研究では、がんと既存の糖尿病を有する10,536人を対象に、HbA1c値とがんの予後との関連を分析しています。結果として、HbA1cが7%以上の場合、全死亡率、がん特異的死亡率、がん再発リスクがそれぞれ有意に増加することが示されました。ただし、これらの関連性は観察的研究に基づくものであり、因果関係を明確に示すものではないとされています。


Circulation 96: 1432, 1997
IMT肥厚を認めた場合はLDLコレステロール低下療法を強化し、脳梗塞の防止に務めます。
| 効果 | 容量依存的に血糖値が下がる。数日で効果あり。 |
|---|---|
| 副作用 | 下痢、乳酸アシドーシス。 |
| 安全性 | 腎不全には使いにくい。低血糖リスク低い |
| 飲み方 | 1日2〜3回 |
| 特徴 | 安い。早く効く。世界で最も処方されている。 |
| 作用機序 | 肝臓で糖産生を抑える。筋肉へ糖を取り込み、糖を便に排出。 |
| エビデンス | 心血管イベントや全死亡率を低下させた。 |
| 効果 | 空腹時血糖値と食後血糖値を抑える。数日に効果でる。 |
|---|---|
| 副作用 | 便秘。 |
| 安全性 | 低血糖リスク低い。 |
| 飲み方 | 1日1〜2回 |
| 特徴 | 副作用が少ない。 |
| 作用機序 | 血糖値が高い時にインスリン分泌を促進。 |
| エビデンス | 心血管リスクを上げずに血糖値を下げる。 |
| 効果 | 血糖値は全体的に下がる。体重減少。 |
|---|---|
| 副作用 | 尿路・性器感染症。頻尿、尿糖+ |
| 安全性 | 低血糖リスク低い。 |
| 飲み方 | 1日1回。 |
| 特徴 | 生命予後改善効果がある。 |
| 作用機序 | 尿から糖を排泄させる。 |
| エビデンス | 心保護作用、腎保護作用がある。 |
| 効果 | 空腹時血糖値と食後血糖値を抑える。食欲抑制、体重減少 |
|---|---|
| 副作用 | 嘔気、下痢、便秘 |
| 安全性 | 低血糖リスク低い。 |
| 飲み方 | 朝食前に服用し30分以上絶飲食。 |
| 特徴 | 強い血糖低下作用。食欲低下、体重減少 |
| 作用機序 | GLP-1作用でインスリン分泌↑、胃腸運動低下し、食欲低下。 |
| エビデンス | 心血管イベントの抑制効果が期待されています。 |
| 効果 | 空腹時や食後の血糖値を抑制 |
|---|---|
| 副作用 | 嘔気、下痢、(特にメトホルミン併用時に注意) |
| 安全性 | 低血糖リスク低い。 |
| 飲み方 | 1日2回 |
| 特徴 | 2021年に承認された新しい作用機序を持ち、日本でのみ使用可能 |
| 作用機序 | ミトコンドリア機能改善し、グルコース濃度依存的にインスリン分泌促し、インスリン抵抗性改善する。 |
| エビデンス | HbA1cの低下、空腹時血糖値の低下。膵保護作用。肝機能や体重への好影響。 |
| 効果 | 食後の血糖値を下げる。 |
|---|---|
| 副作用 | おなら、下痢、お腹のはり |
| 安全性 | 低血糖リスク低い。 |
| 飲み方 | 1日3回、食直前。 |
| 特徴 | 耐糖能異常における糖尿病発症抑制にも適応 |
| 作用機序 | 糖の吸収を遅らせ、食後の血糖値を抑制する。 |
| エビデンス | 糖尿病の発症予防効果あり。 |
| 効果 | 食後の高血糖を改善 |
|---|---|
| 副作用 | 低血糖 |
| 安全性 | 低血糖リスクあり。 |
| 飲み方 | 1日3回、食直前。 |
| 特徴 | 作用時間が短い |
| 作用機序 | 短時間インスリン分泌促進させる |
| 効果 | インスリン抵抗性を改善する |
|---|---|
| 副作用 | 浮腫、体重増加、骨折 |
| 安全性 | 膀胱がんリスク上昇の報告あり |
| 飲み方 | 1日1回 |
| 特徴 | インスリンの作用が低下している肥満に使用する。 |
| 作用機序 | インスリン作用を助け、糖の利用を高める。脂肪に糖を取り込む |
| エビデンス | 動脈硬化を抑える。 |
| 効果 | 強い血糖低下作用 |
|---|---|
| 副作用 | 低血糖、体重増加 |
| 安全性 | 低血糖リスク高い。 |
| 飲み方 | 1日1回 |
| 特徴 | 安価、血糖低下作用は強い。 |
| 作用機序 | 強力にインスリン分泌促進させる |
| エビデンス | 細小血管障害の抑制効果 |
インスリン製剤は作用時間により超速効型インスリン、持効型インスリン、混合型インスリンで大きく分類することができます。


| 製剤名 | 作用開始時間 | 最大作用時間 | 持続時間 | 長所 |
|---|---|---|---|---|
| ノボラピッド | 約10~15分 | 1~3時間 | 3~5時間 | 安定した効果で初心者向き |
| ヒューマログ | 約10~15分 | 1~2時間 | 4~5時間 | 柔軟な食事対応とインスリンポンプ対応 |
| アピドラ | 約10分以内 | 1~1.5時間 | 4~5時間 | 最速の作用開始で柔軟性が高い |
| フィアスプ | 約5分 | 約1時間 | 3~5時間 | さらに速効性が高く、柔軟な使用可能 |


| 製剤名 | 持続時間 | 投与回数 | 長所 |
|---|---|---|---|
| トレシーバ | 約42時間 | 1回/日 | 最長の持続時間で柔軟な投与タイミングが可能 |
| ランタス | 約24時間 | 1回/日 | 基礎インスリン療法の標準薬 |
| レベミル | 約16~24時間 | 1~2回/日 | 血糖値の安定性が高く、体重管理に有用 |


ノボラピッド(超速効型)を3割、トレシーバ(持効型)を7割の割合で配合している。
冷蔵庫(2〜8度)で保存します。
冷凍したインスリンは効果を失います。又、30度以上の高温環境下に置かれたインスリンも効果を失う可能性があり使えません。
常温(15〜25度)で保管します。
開封後のインスリンペンやバイアルは、冷蔵庫に戻さず、室温で保存する方が推奨される場合があります。(製剤の説明書を確認して使用してください。)
製造元が指定する有効期限内に使用してください。
開封後は、製剤によって保存可能な期限が異なります(通常は28日間が多い)。
製剤ごとに使用期限を確認してください。

必要な道具を準備する
インスリンペンまたは注射器・インスリン製剤・アルコール綿または消毒用綿・廃棄用容器(使用済み針用)
インスリン製剤の確認
種類と用量:処方されたインスリンの種類と単位を確認・外観:濁りや沈殿物がないか確認し、混合型インスリンの場合は、しっかり振る(数回手で転がす)ことで均一にします。
期限
使用期限や開封後の日数を確認します。
注射準備(ペン型注射器の場合)
注射部位を選ぶ
主な部位:腹部、大腿部、上腕部、臀部
部位を消毒する。
注射部位はローテーションするようにしましょう。
注射を実施する
皮膚を軽く摘んで注射針を垂直に刺して注入ボタンを押します。ダイアルが0になってから5秒後ボタンを押したまま抜きます。
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