
血糖値を上げない食べ方と運動方法
血糖値を上げない食べ方と運動方法
実験①ではコンビニの親子丼を先に食べて、血糖値上昇幅は+92と血糖値スパイクに。(ドレッシング:市販のごまドレッシング)
実験②ではレタス80gを先に食べましたが、血糖値上昇幅は+96上がりました。(ドレッシング:市販のごまドレッシング)少量の野菜では血糖上昇を抑えれませんでした。※血糖上昇幅は+30~60までが正常の目安です。
実験③ではキャベツ150gを先に食べましたが、血糖値上昇幅は+101あがりました。(ドレッシング:市販のごまドレッシング)
実験④ではレタス100g+キャベツ150gを先に食べたところ、血糖値上昇幅は+52に抑えました。(ドレッシング:市販のごまドレッシング)食後の血糖上昇を抑えるには、サラダの量も大切であると考えられます。
J Clin Biochem Nutr . 2014 Jan;54(1):7-11より改変
研究①、1日で野菜500gを先に食べることで血糖値のピークが糖尿病では-47、健常人で−26低下しています。
研究②:サラダ(キャベツ60g+オリーブ油10g+酢10g)を先に食べることで食後の血糖値がしっかりと低下しています。少量の野菜ですが、オリーブ油とお酢の効果によって血糖値を効率的に抑えています。ドレッシングに何を選ぶかは大切だと考えられます。(解説:オリーブオイルの摂取がGLP-1の分泌を促進し、胃の運動を抑制し、食後の血糖値の上昇を抑える効果が期待できると報告されています。
酢酸による糖質の消化吸収の抑制、胃排出の遅延、GLP-1分泌促進などの作用によって食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できると報告されています。)
実験③:キャベツ150g+市販のごまドレッシングでは食後血糖値の上昇を抑えれず。
実験⑥:ドレッシングをオリーブ油+酢にし、10分あけることで食後血糖値の上昇を抑えています。
実験⑦では、コンビニ中華丼の後に野菜200g食べていますが、食後血糖値の上昇は抑えれませんでした。
実験⑧では、ブロッコリー100g(半株)を先に食べたところ、食後血糖値の上昇を抑えました。ブロッコリーは調理が簡単で、食物繊維が豊富なのでオススメです。
先に肉、魚、卵などのたんぱく質を食べるとインスリンが出やすくなり、食後の血糖値が下がりやすくなります。たんぱく質を食べることによってGLP-1の分泌を促進し、胃排出を遅らせ、食後の血糖値の上昇を抑えていると考えられます。
実験⑨:天津飯で血糖値スパイクが起こっています。
実験⑩:先に豚しゃぶサラダを食べて、天津飯を食べたところ、食後血糖値の上昇が抑えられています。
10分で食べる群は三角食べで食べていますが血糖値スパイクを起こしています。20分で食べる群は野菜7分、おかず7分、ごはん6分という順番で、糖質まで14分の時間をかけています。糖質までの時間を10分以上かけることで、血糖値を下げるホルモンの分泌が整うのではなかいかと考えられます。
サラダを食べて、ハンバーグを食べ終わり、カツを半分食べてから、ご飯と残りのカツを食べたところ食後血糖の上昇が抑制されています。
血糖値スパイクを起こしている栄養素は炭水化物です。たんぱく質や脂質が豊富な食品の血糖値の上昇は緩やかで長く持続します。
食パンにバターを塗ると血糖上昇が抑えられています。脂質によって糖質の吸収が抑制されていると考えられます。
ジュースは液体なので胃の通過時間が速いため血糖上昇が急激になりやすくなります。なるべく、自然な形の食品を摂取するようにしましょう。噛む回数が多いほど血糖値の上昇を抑えることが期待できます。
お茶漬けなどの液体は胃通過時間が早くなり、血糖値スパイクを起こしやすいと考えられます。お茶漬けを食べた後に必ず低血糖症状が出現する方がおられましたが、お茶漬けをやめて、卵かけご飯を食べるようにしたところ、低血糖症状は起こらなくなりました。
おにぎりを水で流し込むと血糖値の上昇が急激になりました。味噌汁などの汁物は先に飲んでおく、もしくは具沢山にすることをお勧めします。
外食のすき焼きは血糖値が急激に上昇しています。砂糖の量が多いのではないかと考えられます。一方、自宅の牛しゃぶ鍋では血糖上昇は目立ちませんでした。
海苔を巻くと少し食後の血糖上昇が抑えられています。きなこもちには砂糖の代わりに血糖値が上がりにくいラカント(エリスリトール)を使用していますが、きなこはたんぱく質が豊富であり、血糖上昇が抑えられています。今回の実験では納豆餅が最も血糖上昇を抑えました。
納豆おろし餅はサラッとして食べやすく、美味しくいただけますが、大根おろしによる液体を含有しているため血糖値は少し上昇しました。
砂糖不使用のマービーのつぶあんを使用しましたが、血糖値はそれほど上がりませんでした。一方、餡子餅を2個食べると血糖値がかなり上昇しました。
お雑煮を食べる時、最後にお餅を食べることで血糖値の上昇が抑えられています。しかし、睡眠不足の翌日には同じ食べ方でも血糖値が急上昇しています。睡眠と血糖値には深い関係があります。
なますにも砂糖が入っており、酢飯にも砂糖が入っているため、血糖値の上昇を認めます。たたきごぼうは食物繊維が豊富ですが、砂糖が入っており、血糖値の上昇を認めます。お寿司は美味しく健康的ですが、酢飯の影響で血糖値は上がりやすくなっています。
血糖値スパイクとは、食後30〜90分の間に血糖値が140mg/dL以上に急上昇し、その後急激に低下する状態の事を言います。この状態が続くと、心筋梗塞、脳梗塞、がん、認知症などのリスクが上昇するため、早期の対策が望ましいです。しかし、空腹時血糖値は正常であることが多いため、一般的な健康診断では見逃されやすく注意が必要です。そのため、血糖値スパイクを発見するには、ブドウ糖負荷試験(OGTT)が必要であると考えられます。
①ブドウ糖の吸収速度に比べてインスリン分泌が遅くなり、血糖値の急上昇によってインスリンの過剰分泌が起こり、血糖値スパイク後に低血糖が起こりやすい。
②精製された炭水化物は食物繊維が少なく、吸収速度が早いため、血糖値の急上昇が起こりやすい。炭水化物の量にも比例して血糖値が上昇する。
③よく噛まずに、早食いすることでGLP-1などの消化管ホルモンの分泌が不十分な状態で炭水化物が胃を通過し小腸でブドウ糖として吸収されるため血糖値の急上昇をきたしやすい。
④睡眠不足によってインスリンが効きにくくなりブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなったり、ストレスホルモンの増加によって血糖値が上昇しやすくなります。
⑤空腹時間が長くなると遊離脂肪酸の増加によってインスリンが効きにくくなり、インスリン分泌が遅くなったり、グルカゴン分泌増加によって血糖値が上昇しやすくなる。
⑥液体を同時に摂取することで、炭水化物の胃通過時間が早くなり、インスリン分泌よりも小腸でのブドウ糖吸収が早くなるため血糖値が上昇しやすくなる。
朝食を抜くと、昼食で血糖値スパイクになります。朝食をとることで昼食の血糖値は上がりにくくなりますが、朝食ですい臓を刺激しておくことで昼食の血糖値は上がりにくくなると考えられます。
朝は代謝が高いため、糖質はエネルギーとして消費されやすいです。
同じカロリーでも夜にたくさん食べると、血糖値の総面積は大きくなります。朝食をしっかりとることで減量しやすいことが報告されています。
22時に食事をした場合、血糖値のピークは就寝時になっています。就寝中の筋肉は脱力しているため、血糖は筋肉に取り込まれずに脂肪に変わりやすくなります。体脂肪の増加によってインスリンが効きにくくなり、血糖値は上がりやすくなります。
15時に昼食の場合、8時間の空腹時間となり、おにぎり1個でも血糖値スパイクを起こしています。空腹時間が長くなると血糖値スパイクを起こしやすくなります。1日3食とることは血糖値スパイクの予防につながります。
夕食が遅くなりそうな場合、先に炭水化物を少量とっておくことで、血糖値スパイクを抑えることができます。
遅めの夕食は腹八分目を意識し、野菜中心のおかずにすることで、入眠時の胃腸への負担を減らし、睡眠の質を保つことで翌日の血糖値も上がりにくくなります。
テレビの視聴時間が長いほど食後血糖値の上昇を認めています。
座位時間が長いほど寿命が短くなっています。座る時間を減らしていきましょう。
30分毎に5分間立つことで血糖値の低下作用が認められています。下半身の筋肉を刺激することが大切と考えられます。
朝食前に45分間歩いても食後の血糖値の上昇を抑えることができませんでした。HbA1cも改善は認めませんでした。
毎食後に15分ずつ歩くことで、食後の血糖値の上昇が抑えられています。1日の運動量は同じ45分ですが、食後に行う方が食後の血糖値の上昇を抑えるには効果的と考えられます。食後20分以内に歩き始めることをお勧めします。
この研究においても、食前の歩行では食後血糖値の上昇を抑えることはできませんでしたが、食後に歩くことで食後血糖値の上昇を抑えています。私の経験からも、血糖管理のためには、食後の運動をオススメしています。
筋肉トレの種目選びについてですが、上半身よりも下半身の方が筋肉量が多いため、腕立て伏せよりもスクワットの方が効率よく血糖値の上昇を抑えることができます。
また、スクワットを行う場合は、強度・回数・セット数に応じて血糖値の低下効果が変わるため、自分に合った適切な負荷で継続することが大切です。
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