2026年1月31日

亜鉛(Zn):インスリンの「材料」そのもの
■ インスリンが「在庫切れ」していませんか?
「インスリンの効きが悪い」「分泌が少ない」と言われたことはありませんか?
実はその原因、「亜鉛不足」かもしれません。
そもそもインスリンというホルモンは、亜鉛がないと作れません。
膵臓(すいぞう)でインスリンが作られる際、亜鉛と結合することで初めて安定した形(六量体)になります。
つまり、体内の亜鉛が不足していると、「質の良いインスリンが作れない(在庫切れ)」という状態に陥ってしまうのです。

■ 血糖値改善の強力なエビデンス
「たかがミネラル」と侮ってはいけません。2019年の大規模なメタ解析(複数の研究をまとめた信頼性の高いデータ)において、亜鉛の補給は驚くべき効果を示しました。
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📉 HbA1cの低下: -0.54%
※この数字は、一部の糖尿病治療薬の効果に匹敵します。 - 📉 食後高血糖の改善: -36.71 mg/dL
- 📉 空腹時血糖の改善: -14.15 mg/dL
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✅ インスリン抵抗性の改善
インスリンの効きが良くなり、過剰な分泌(膵臓の疲れ)を抑える結果も出ています。
この研究により、「隠れた亜鉛不足を解消することが、糖尿病治療の底上げになる」という強力な根拠(エビデンス)が示されています。

■ あなたの数値は?まずは血液検査を
亜鉛が足りているかは、血液検査ですぐに分かります。
基準値は80〜130 μg/dLですが、当院ではインスリンをしっかり働かせるため、「100 μg/dL以上」を目標値として管理しています。
■ 効率的な補充方法
亜鉛は、牡蠣(カキ)、赤身の肉、レバー、抹茶などに多く含まれます。
しかし、食事からの吸収率は約30%と低いため、数値が低い方が食事だけで改善するのは困難です。
当院での対策
必要に応じて1日50mg程度の医療用サプリメントや処方薬を使用し、定期的に採血で数値をチェックしながら、安全かつ効果的に「インスリンの材料」を補充していきます。