
不整脈・ペースメーカー外来
不整脈・ペースメーカー外来
不整脈は自分でチェック出来る場合があります。自分の心臓のリズムを確認してみましょう。
1分間に何回脈を打つか測ってみてください。
100回以上:脈が速い(頻脈の可能性)
50回以下:脈が遅い(徐脈の可能性)
何回かに1回脈が飛ぶ場合は、期外収縮かもしれません。
脈のリズムが不規則(脈がバラバラ)に感じる場合は心房細動の可能性があります。
落ち着いた状態で測定しましょう。緊張や運動後は脈が速くなるため、正確な判断が難しくなります。普段から自分の脈を取る習慣をつけると、異常に気づきやすくなります。
脈の異常に気づいた場合、以下のことを記録して主治医に伝えてください:
①何をしているときに起きるか?
(例: 安静時、運動中、食事中など)
②起こりやすい時間帯はいつか?
(例: 朝起きた時、夜寝る前、就寝中など)
③どのくらい続くか?
(例: 数秒、数分、数時間など)
これらの情報は、不整脈のタイプを特定し、治療方針を決める上でとても重要です。不整脈は早期発見と適切な治療が大切です。気になる症状があれば、早めの医療機関への受診をお薦めします。
①規則正しいリズム(秒針のように、「トクン、トクン」と一定)
②早すぎず、遅すぎない(心拍数は50〜100回/分)
以下の3つのタイプに分けられます。
①脈が不規則なタイプ
脈が時々乱れる場合(期外収縮)
脈が常時乱れる場合(心房細動)
脈がトクントト,,,トクトク,,トトトとバラバラ
胸がドキドキしたり、息苦しさを感じたりします。
②脈が速いタイプ(脈がトトトトトトトトと規則正しく速い)
動悸や息切れを感じる場合があります。
③脈が遅いタイプ(脈がトクン,,,,,トクン,,,,,トクン,,,,,)
ふらつきやめまい、失神が起こることがあります。
心臓は、正常であれば1分間で50-100回ほどのペース、かつ一定のリズムで脈を打ちます。
不整脈とは、その脈が速くなる(頻脈)、遅くなる(徐脈)、リズムが一定しなくなる状態をいい、治療の必要がないものから危険なものまでさまざまです。脳梗塞などの原因となる“心房細動”も不整脈の1つです。
①脈が飛ぶ、脈が抜ける、胸が詰まる感じの場合
原因としては、上図のように期外収縮(通常のリズムよりも早い拍動)が発生している場合が多い。命に関わるような不整脈ではないことが多く、経過観察やβ遮断薬の服用が一般的です。
②鼓動を速く感じる場合
突然脈が速くなり、突然止まる動悸の場合は頻脈の不整脈(発作性頻拍)の可能性があります。発作の頻度が多くなれば、カテーテル治療が推奨されます。
運動、発熱、脱水、貧血などの影響で一時的に脈が速くなることもあります。この場合は、原因となる状態(脱水や発熱)の改善が必要になります。
③鼓動を強く感じる場合
原因として、甲状腺機能亢進症や緊張状態で交感神経が過剰に働いている場合があります。症状に応じて血液検査や24時間心電図を行っていきます。
④不規則な脈(脈がバラバラ)が続く場合
不規則な脈の場合は、心房細動の可能性があります。血栓ができ脳梗塞を生じるリスクがあるため注意が必要です。薬物療法では、リズムを調整する抗不整脈薬や心拍数を調整するβ遮断薬、血栓を予防する抗凝固薬などを用います。最近では積極的にカテーテルアブレーション治療を検討します。
⑤息切れを伴う場合
徐脈や頻脈、期外収縮頻発などの不整脈が原因で心臓のポンプ機能が低下すると、全身の循環不全から心不全症状として息切れが現れることがあります。
①脈拍が極端に遅い場合(徐脈の場合)
上図は心拍数が20〜30回/分まで低下し、脳への血流が不足し、貧血に似た症状としてめまいやふらつき、倦怠感が出現しています。重症の場合には失神を引き起こすこともあります。ペースメーカーの植え込むにより脈拍を正常に保つことで、脳への血流が回復するため、症状は消失します。
②脈拍が非常に速い場合(頻脈の場合)
心拍数が200回/分以上になると、心臓が十分に血液を送り出せず「空打ち」の状態になり、脳への血流が不足し、冷や汗が出たりします。その結果、ふらつきやめまいが生じ、重症の場合には意識を失うこともあります。このような場合、迅速な薬物治療や電気ショックによる対応が必要となります。
動悸や不整脈を感じたら、以下を記録しておくと診断に役立ちます:
①どのような時に起きるか(例: 安静時、運動中、食事後)。
②どのくらい続くか(例: 数秒、数分、数時間)。
気になる症状があれば、早めに専門医を受診しましょう。ふらつきやめまいを伴う場合、不整脈が原因の可能性があり、重篤な場合は救急対応が必要となることもあります。
不整脈は、心臓の電気信号が乱れることで発生します。その原因は多岐にわたり、以下のように分類されます。
アルコールや喫煙、睡眠不足、肥満、睡眠時無呼吸症候群、ストレスなどによって交感神経を過剰に刺激し、期外収縮や頻脈発作をひいこ越しやすくします。
高血圧によって心臓に負荷がかかり、心肥大や左房拡大を引き起こします。その結果、心房細動が起こりやすくなります。
甲状腺ホルモンの過剰分泌によって、頻脈や心房細動の発生頻度が増加します。
加齢に伴い、心臓の「発電所」や「電線」が老化することで、脈が遅くなる不整脈が発生することがあります。
一部の風邪薬、漢方薬、抗うつ薬、抗不整脈薬などが不整脈を誘発する場合があります。
心筋梗塞、狭心症、心筋症、弁膜症、心不全、遺伝などの基礎疾患が不整脈の原因となります。
不整脈は、これらの原因が単独または複合的に関与して発症します。早期発見と原因に応じた適切な治療が重要です。
期外収縮の治療は、症状や基礎疾患の有無によって判断します。必ずしも治療が必要でない場合が多いですが、特定の条件下では治療が検討されます。
⭕️必ずしも治療を要しない場合
①自覚症状がない場合
②上室性の期外収縮(心臓の上の部屋から発生するもの)
③心室性期外収縮で単発~2連発程度のもの
④運動負荷試験で増悪しない場合
⑤基礎心疾患の無い場合
⭕️治療を要する場合
①自覚症状がある場合(胸の違和感や動悸など)
②心室性期外収縮で3連発以上のもの
③運動負荷試験で増悪する場合
④基礎心疾患がある場合(心筋梗塞や心不全など)
基本的には脈を遅くする薬(β遮断薬)の使用が考慮されます。状況に応じてカテーテルアブレーションが検討されることもあります。
頻脈の治療では、動悸や胸部症状の緩和、不整脈の停止や予防、血栓形成の防止を目的とした治療が行われます。あくまでも薬物療法は対症療法であり、根本治療としてはカテーテルアブレーションなどの手術療法が選択されることもあります。
①薬物療法
・脈をゆっくりにする薬:β遮断薬、カルシウム拮抗薬を使用して心拍数を抑制し、心臓への負担を軽減します。
・不整脈を止めたり、予防する薬:抗不整脈薬を使用して頻脈の発作を抑える、または再発を予防します。
・血液をサラサラにする薬:抗凝固薬を使用して血栓形成を防止します(特に心房細動の場合)。
②カテーテルアブレーション
③植込み型除細動器
ペースメーカー植え込み術
カテーテルアブレーションは、不整脈を引き起こしている心臓内の異常な電気回路を高周波エネルギーで焼き切る治療法です。頻脈や期外収縮の根治治療として効果的で、再発リスクを大きく減少させます。
①カテーテルの挿入:全身麻酔下で、首や足の付根の静脈からカテーテルを心臓に挿入します。
②不整脈の発生部位を特定:カテーテルを使って心臓内の電気活動を記録し、不整脈の原因となる部位を探索します。
③焼灼治療:異常な電気回路の部位にカテーテルの先端を押し当て、高周波エネルギーで組織を焼灼し、壊死させます。
④治療効果の確認:不整脈を人工的に誘発しても出現しないことを確認します。
⑤手術終了:カテーテルを抜去し、麻酔を終了します。
手術時間:2〜4時間程度です。
入院期間:3〜5日間程度です。
特徴とメリット
カテーテルを用いるため、外科手術と比較して体への負担が軽く、回復が早いです。治療技術の進歩により、治療成績も向上しており、高齢者でも治療を受けられることが多いです。
ペースメーカーは、心筋に人工的に電気刺激を与えて、正常な拍動リズムを維持する装置です。心拍が遅い(徐脈)不整脈を治療するために用いられます。ペースメーカー植え込み術は、比較的負担が少なく、高齢者でも受けられる安全な手術です。
手順
①ポケットの作成:左鎖骨下にペースメーカー本体を収納するための皮下ポケットを作ります。
②リード(電線)の挿入:左鎖骨下静脈からリードを挿入し、右心室まで誘導します。
③電気刺激の確認:リード先端から心筋に電気刺激を与え、心筋が正常に反応するかを確認します。
④ペースメーカー本体の設置:本体(電池部分)をポケットに植え込み、傷を縫合して手術を終了します。
手術は局所麻酔で行います。
手術時間:1〜2時間程度です。
入院期間:1日〜2週間程度です。
術後の管理:ペースメーカー植え込み後、6ヶ月ごとに点検を受けます。電池の寿命は約10年で、電池交換の際には再び手術が必要になります。
身体への負担が少ないため、高齢の方や全身状態に不安がある方でも治療を受けやすいです。
植込み型心臓デバイスは、不整脈や心不全などの治療のために体内に植え込まれる
医療機器のことをいいます。
・適応疾患:徐脈性不整脈
・機能:脈が遅くなった場合に電気刺激を送り、脈拍を維持します
・特徴:電池寿命は10年、最近は小型化し、MRI対応、リード(電線)がないタイプ
も出てきている。
・適応疾患:致死的不整脈、心停止リスクの高い場合
・機能:重篤な不整脈を検出すると自動的に電気ショックを与えて治療する
・特徴:電池寿命は5〜7年、心停止予防に有効
・適応疾患:重症心不全
・機能:左右の心室の収縮を同期させてポンプ機能を改善する。ICD機能を併せ持つ
場合はCRT-Dと呼ばれる
・特徴:心不全症状を改善し、生存率向上を期待できる。
・適応疾患:原因不明の失神、動悸、脳梗塞
・機能:長期間の心電図モニタリングにより、不整脈を検出します
・特徴:皮下に小型デバイスを植え込み、数年にわたり心電図を記外部からデータを
取得し、診断に活用できる。
自宅に設置された専用のモニターがペースメーカーの情報を受診し、自動で病院へデータを送信します。患者さんが病院に行かなくても医師がペースメーカーの状態を確認できます。バッテリーの残量やペースメーカーの不具合、不整脈を早期に発見できるため、早期の対応が可能となります。
スマートフォンからアプリを通じて、デバイスのデータを医療施設へ送ることができます。
専用モニターを使用することで、デバイスのデータを医療機関へ送ることができます。
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