心筋症、弁膜症、大動脈解離、動脈瘤、PE_DVT|おおや内科 糖尿病・心臓クリニック|JR六甲道から徒歩5分
心筋症
心筋症は、心臓の筋肉である心筋が何らかの原因で変性したり、肥大したり、薄くなったりすることで、心臓の働きが低下する病気です。
種類と特徴
- 拡張型心筋症:心臓が風船のように膨らみ、ポンプ機能が低下します。原因としては、ウイルス感染、アルコールの過剰摂取、遺伝などが挙げられます。
- 肥大型心筋症:心臓の筋肉が厚くなり、心腔が狭くなるため、血液を送り出す力が弱まります。遺伝性のものも多く、若年者に発症することがあります。
- 拘束型心筋症:心臓が硬くなり、血液を満たすことができにくくなります。原因は不明なことが多いですが、アミロイドーシスという病気との関連が指摘されています。
症状
- 息切れ:少し動いただけで息切れを感じることがあります。
- むくみ:足やお腹にむくみが出ることがあります。
- 動悸:心臓がドキドキする感覚を感じることがあります。
- 疲労感:常にだるく、疲れを感じることがあります。
治療
- 薬物療法:利尿剤、ACE阻害剤、β遮断薬など、症状に合わせて薬物治療を行います。
- カテーテル治療:心臓の弁を拡張したり、狭窄した血管を広げたりする治療を行います。
- 心臓移植:薬物治療やカテーテル治療で改善が見られない場合、心臓移植を検討することがあります。
弁膜症
心臓には、血液が逆流しないように4つの弁があります。弁膜症は、これらの弁がうまく開閉できなくなる病気です。
種類と特徴
- 大動脈弁狭窄症:大動脈弁が狭くなり、心臓から血液が送り出しにくくなります。高齢者に多く、胸痛や息切れを引き起こします。
- 僧帽弁閉鎖不全症:僧帽弁がしっかり閉まらず、血液が逆流します。心房細動を合併することが多く、動悸や息切れを引き起こします。
- 三尖弁閉鎖不全症:三尖弁がしっかり閉まらず、血液が逆流します。右心不全の原因となることがあります。
- 肺動脈弁狭窄症:肺動脈弁が狭くなり、右心室から肺への血液の流れが悪くなります。先天性のことが多いです。
症状
- 息切れ:運動時や安静時にも息切れを感じることがあります。
- 動悸:心臓がドキドキする感覚を感じることがあります。
- 胸痛:胸に圧迫感や痛みを感じることもあります。
- むくみ足やお腹にむくみが出ることがあります。
治療
- 薬物療法:症状に合わせて薬物治療を行います。
- カテーテル治療:バルーン弁形成術や経皮的大動脈弁置換術(TAVI)など、カテーテルを用いた治療を行います。
- 外科手術:人工弁置換術や生物弁置換術など、開胸手術を行います。
大動脈解離
大動脈解離は、大動脈の内層がはがれて、血液が血管壁の間を流れる病気です。
原因
- 高血圧:高血圧が最も大きな原因です。
- 大動脈瘤:大動脈がこぶのように膨らんでいる状態。
- 結合組織の病気:マルファン症候群など。
症状
- 激しい胸痛:突然、刀で切り裂かれるような激しい胸痛が起こります。
- 背中の痛み:胸痛とともに、背中に痛みを感じることがあります。
- 呼吸困難:呼吸が苦しくなることがあります。
- 意識障害重症の場合、意識を失うことがあります。
治療
- 外科手術:緊急の外科手術が必要となることが多いです。
動脈瘤
動脈瘤は、動脈の一部がこぶのように膨らんでしまう病気です。破裂すると、大出血を起こし、生命に関わる危険性があります。
種類
- 腹部大動脈瘤:腹部の大動脈が膨らむ。
- 脳動脈瘤:脳の動脈が膨らむ。
原因
- 動脈硬化:動脈硬化が最も大きな原因です。
- 高血圧:高血圧もリスクを高めます。
- 結合組織の病気:マルファン症候群など。
症状
- 無症状:初期には自覚症状がないことが多いです。
- 破裂時:激しい腹痛、背痛、吐き気、意識消失など。
治療
- 薬物治療:血圧をコントロールする薬などを用います。
- カテーテル治療:ステントグラフト内挿術など、カテーテルを用いた治療を行います。
- 外科手術:動脈瘤が大きい場合や破裂の危険性が高い場合は、外科手術を行います。
PE/DVT
- 深部静脈血栓症(DVT):主に下肢の深部の静脈に血栓ができる病気です。
- 肺塞栓症(PE):DVTでできた血栓が肺の血管を詰まらせる病気です。
原因
- 長時間同じ姿勢:長時間の飛行機の乗務や手術後など。
- 静脈瘤:静脈が拡張してできた瘤。
- 血液の凝固しやすい状態:妊娠、がん、経口避妊薬の使用など。
症状
- DVT:患肢の痛み、腫れ、赤みなど。
- PE:息切れ、胸痛、動悸など。
治療
- 抗凝固薬:血栓を溶かす薬や血栓ができるのを防ぐ薬を投与します。
- 血栓溶解薬:大きな血栓がある場合は、血栓を溶かす薬を投与します。
- 外科手術:肺塞栓症が重症の場合、手術を行うことがあります。
予防
これらの心臓疾患の予防には、以下のことが大切です。
- 高血圧の管理:血圧を定期的に測定し、高血圧の場合は治療を受ける。
- コレステロール値の管理:高コレステロール血症の場合は治療を受ける。
- 血糖値の管理:糖尿病の場合は血糖値をコントロールする。
- 禁煙:喫煙は動脈硬化を促進するため、禁煙することが重要です。
- 適度な運動:定期的に運動をすることで、心血管系を健康に保つことができます。
- バランスの取れた食事:塩分を控え、野菜や果物を多く摂るようにしましょう。
これらの疾患は、早期発見・早期治療が大切です。症状を感じたら、早めに医師にご相談ください。
ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。