
いびき外来
いびき外来
1,いびきが大きいと言われる
2,熟睡感がない
3,朝起きた時に頭痛がする
4,日中の眠気がある(運転中、会議中)
5,十分な睡眠時間をとっても疲れがとれない
6,肥満である
7,睡眠中に何度も目が覚める
8,夜中に何度もトイレに行く
9,周囲の人から無呼吸を指摘された
10,朝、口の渇きが気になる
11,夜間に息苦しさで目が覚めた
12,血圧が高い
3つ以上該当する方は睡眠時無呼吸症候群のリスクがあります。医療機関の受診をお勧めします。
スマホにいびきラボというアプリをダウンロードします。ベッドの横にスマホを置き、いびきラボを起動し就寝します。いびきの録音や解析をしてくれます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、寝ている間に息が止まって酸欠になる病気です。
代表的な症状は“いびき”で、眠りが浅くなるため、日中に強い眠気や倦怠感を生じることがあります。放置すると、血管・心臓・脳に大きな負担がかかり、高血圧症や狭心症、心筋梗塞、脳卒中などを合併することもあります。できるだけ早く診断し、治療をはじめることが大切です。
無呼吸とは完全に気流が止まった状態です。
いびきとは、空気が通る時に鳴る振動音のことです。
原因には鼻から喉頭(のどぼとけ)にかけての狭窄があります。狭くなった気道のすき間を空気が通ることで“いびき”が生じます。いびきの要因は、肥満による首や喉(のど)まわりの脂肪沈着、あごが十分発育していない小顎症(しょうがくしょう)、扁桃肥大、舌根(ぜっこん)・口蓋垂(こうがいすい)・軟口蓋(なんこうがい)による狭窄など、解剖学的なものがあります。また、加齢や睡眠時における呼吸の調節能力の低下など、機能的な要因も関連します。
睡眠時無呼吸症候群は、男性は30~60代によくみられ、女性は更年期以降に多く、閉経によるホルモンバランスの変化も一因とされています。
検査は簡易検査と、精密検査があります。簡易検査は重度の睡眠時無呼吸症候群の発見に有効ですが、軽度や中等度の発見には精度の面で精密検査が適しています。
自宅で検査を行います。
簡易検査は手指や鼻下にセンサーを装着し、普段通りに眠ります。
いびき、無呼吸の回数から睡眠時無呼吸症候群の重症度を診断します。
精密検査は頭、鼻、胸、手足にセンサーを装着し、普段通りに眠ります。いびき、無呼吸の回数だけでなく、胸の動き、脳波計からより詳細な睡眠時無呼吸症候群のタイプを診断します。
CPAPの保険適応は、無呼吸回数が
簡易検査で40回以上
精密検査で20回以上
正常な方は深い睡眠があり、熟睡感を伴ってきます。
睡眠時無呼吸症候群の方は深い睡眠がないため、熟睡感を伴わず、日中の眠気が出てきます。
睡眠時無呼吸症候群で無呼吸の回数が1時間に20回以上の方は8年後の生存率が6割という報告があります。
①高血圧患者の30%に睡眠時無呼吸症候群を認め、無呼吸の治療によって血圧が下がります。
②難治性高血圧の80%に睡眠時無呼吸症候群を認め、無呼吸の治療によって降圧剤がよく効くようになります。
③心不全患者の76%に睡眠時無呼吸症候群を認め、無呼吸の治療によって心不全が改善します。
④心房細動患者の50%に睡眠時無呼吸症候群を認め、無呼吸の治療によって心房細動を予防できます。
⑤狭心症患者の31%に睡眠時無呼吸症候群を認め、無呼吸の治療によって狭心症発作を予防できます。
⑥心筋梗塞患者の57%に睡眠時無呼吸症候群を認め、無呼吸の治療によって心筋梗塞の再発を予防します。
⑦大動脈解離の37%に睡眠時無呼吸症候群を認め、無呼吸の治療によって解離の治癒を促進し、増悪を予防します。
睡眠時無呼吸ががんを合併する機序については、交感神経の亢進や炎症や免疫異常を惹起すること、夜間の繰り返す低酸素血症などが原因として考えられています。
約480万人の睡眠時無呼吸症候群を5年以上追跡調査すると肺がんの合併が約30%増加していた。
無呼吸回数が20回未満の軽症の場合、CPAPが困難な場合が良い適応となります。
マウスピース療法は軽症に適した治療法です。睡眠時にマウスピース(スリープスプリント)を装着し、下あごを前方に出すように固定することで、上気道を広く保ち、無呼吸やいびきの発生を防ぎます。
横向きに寝て(側臥位)、舌の落ち込みを防ぐ(背中や腰にクッションなどをつけて工夫)
睡眠薬や安定剤、飲酒を控えて、筋肉の弛緩による舌の落ち込みを防ぎましょう。
花粉症やアレルギー性鼻炎に対して内服や点鼻薬でしっかりと治療をしましょう。
鼻ポリープ、鼻中隔湾曲症、扁桃腺腫大、副鼻腔炎などによって鼻呼吸ができない場合は
耳鼻科で治療を受けましょう。
肥満の場合は減量することで、気道を確保することが期待できます。
無呼吸回数が20回以上の中等度以上の場合はCPAP (シーパップ) 療法の適応となります。
CPAP療法は中等度から重症の方に有効な治療法です。睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を開存させて治療します。定期的な通院が必要になります。
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