
血糖値の急上昇を抑える運動のヒント
血糖値の急上昇を抑える運動のヒント
テレビ視聴時間
Diabetes Care. 2007 Mar; 30(3):516-22.より改変
テレビの視聴時間が長いほど食後2時間後の血糖値の上昇を認めています。テレビ視聴という座りがちな行動が、血糖コントロールに悪影響を及ぼす可能性があることを示しています。座りがちな行動を減らすことの重要性を示唆しています。
Med Sci Sports Exerc. 2009 May;41(5):998-1005.より改変
座っている時間が長いほど寿命が短くなっています。座る時間を減らしていきましょう。
Diabetes Care 39: 130-138, 2016より改変
30分毎に5分間立つことで食後の血糖値の低下作用が認められています。下半身の筋肉を刺激することが大切と考えられます。
Diabetol Metab Syndr. 2017 Aug 31;9:64より改変
朝食前にまとめて45分間歩いても食後の血糖値の上昇を抑えることができませんでした。HbA1cの改善も認められませんでした。
Diabetol Metab Syndr. 2017 Aug 31;9:64より改変
毎食後に15分ずつ歩くことで、食後の血糖値の上昇が抑えられました。1日の運動量は同じ45分ですが、食後に分けて行う方が食後の血糖値の上昇を抑えるには効果的と考えられます。食後15分以内に歩き始めることをお勧めします。
Pflugers Arch. 2020 Feb;472(2):271-280.より改変
食直後に歩く(30分)ほうが、食前に行うよりも食後血糖値の上昇を効果的に抑えられています。私の経験上、血糖値の管理には食後の運動がおすすめです。
Sci Rep. 2025 Jul 2;15(1):22662.より改変
ブドウ糖液摂取後、すぐに10分間のウォーキングを行った場合、30分後にウォーキングを開始した場合よりも食後の血糖値の急上昇(ピーク)が有意に抑えられました。液体による摂取はブドウ糖の吸収も早く、血糖値の上昇のタイミングも早いため、食後すぐにウォーキングを行うことは、効果的と考えられます。
J Appl Physiol. 2015 Mar 1;118(5):624-34.より改変
夕食前の筋トレも夕食後の筋トレも、安静にしていた場合に比べて、食後血糖値の上昇を抑える効果がありました。しかし、夕食後の筋トレの方が、より大きな改善効果を示しました。
筋トレの種目についてですが、私の経験では、腕立て伏せよりもスクワットの方が効率よく血糖値の上昇を抑えることができます。上半身よりも下半身の方が筋肉量が多いためと考えられます。スクワットを行う場合は、強度・回数・セット数に応じて血糖値の低下効果が変わるため、自分に合った適切な負荷で継続することが大切と考えられます。
J Appl Physiol. 2017 Aug 1;123(2):278-284.
食後30分に30分間のジョギングを行うとジョギング中は食後の血糖値が低下する効果がみられました。しかし、運動を中止すると、血糖値は再上昇しています。
一方、30分おきに5分間運動を繰り返す方法は、食後の血糖値をより効果的に低下させることが示されています。総運動量は同じです。
以上より、食後の血糖値管理においては、一度に長時間運動するよりも、短時間の運動を間隔を空けてこまめに行う方が効果的である可能性が示唆されています。
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