心電図異常・検診異常|神戸市灘区・六甲道のおおや内科|心電図・血圧
心電図の「要精密検査」〜放置して良いもの、危険なもの〜
健康診断の結果に「心電図異常」「要再検査(D判定・E判定)」と書かれていて、ドキッとしたことはありませんか?
心電図の異常には、「治療の必要がないもの」もあれば、「命に関わる心臓病のサイン」も含まれています。
当院では、循環器専門医がその異常の意味を正確に診断し、治療が必要かどうかを見極めます。
なぜ「専門医」の受診が必要なのか?
心電図だけでは「心臓の形」は見えません
健康診断で行う心電図は、心臓の電気信号を記録するものですが、それだけでは「心臓の動き」や「弁の状態」までは分かりません。
心電図異常の正体を知るためには、心臓超音波検査(心エコー)で心臓を直接「見る」ことが不可欠です。
当院では、循環器専門医が診察を行い、必要であればその場で心エコー検査を行い、不安を解消します。
「様子を見ていいですよ」という言葉も、精密検査の裏付けがあって初めて安心できるものです。
当院の精密検査体制
- ✅ 心臓超音波検査(心エコー)
…心臓の動き、弁膜症の有無を確認
- ✅ 24時間ホルター心電図
…一過性の不整脈を逃さずキャッチ
- ✅ 血圧脈波検査(血管年齢)
…動脈硬化の進行度を測定
健診でよくある指摘項目の解説
健康診断の結果票に、以下のような言葉が書かれていませんか?
それぞれの意味と、当院での対応について解説します。
ST-T異常・ST低下・T波平低
【疑われる病気】狭心症、心筋梗塞、心肥大、電解質異常など
心臓の筋肉に血液が十分に行き届いていない(虚血)サインの可能性があります。
特に「ST低下」は狭心症の代表的な所見です。自覚症状がなくても、放置すると突然の心筋梗塞につながるリスクがあるため、必ず循環器内科での精密検査が必要です。
心房細動(Af)
【疑われる病気】脳梗塞のリスク増大、心不全
心臓が小刻みに震え、規則正しく拍動できなくなる不整脈です。
この不整脈の最大の恐ろしさは、心臓の中に巨大な「血栓(血の塊)」ができ、それが脳に飛んで重症の脳梗塞(心原性脳塞栓症)を引き起こすことです。
血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬)が必要かどうかの判断が急務です。
上室性期外収縮・心室性期外収縮
【疑われる病気】不整脈(多くは良性だが経過観察が必要)
脈が一時的に飛んだり、リズムが乱れる状態です。
多くはストレスや疲労、カフェインなどが原因の「良性」のものですが、頻度が多い場合や、連発する場合(連発性期外収縮)は治療が必要になることがあります。
心エコーや24時間ホルター心電図で「危険なタイプではないか」を確認します。
右脚ブロック・左脚ブロック
【疑われる病気】心臓の電気信号の伝わり方の異常
右脚ブロック:健康な人にも見られることが多く、心臓の病気がなければ心配ないケースが大半です。
左脚ブロック:こちらは要注意です。心筋症や虚血性心疾患など、背景に心臓病が隠れている可能性が高いため、必ず心エコー検査が必要です。
左室肥大(電位)・高電位
【疑われる病気】高血圧性心疾患、肥大型心筋症、弁膜症
心臓の筋肉が分厚くなっている可能性を示しています。
主な原因は「長年の高血圧」です。心臓が無理をして血液を送り出し続けた結果、筋肉がマッチョになりすぎて硬くなり、心不全のリスクが高まります。
血圧管理とともに、心エコーで実際の壁の厚さを測定します。
洞徐脈(どうじょみゃく)/ 洞性頻脈
【どんな状態?】脈が「遅い」または「速い」状態
洞徐脈:スポーツをしている方や体質的なものが多く、めまい等の症状がなければ問題ありません。
洞性頻脈:健診時の緊張が原因のことが多いですが、貧血や甲状腺の病気が隠れていることもあるため、採血結果と合わせて判断します。
電気軸偏位(左軸偏位・右軸偏位)
【どんな状態?】心臓を流れる電気の「角度」の傾き
左軸偏位は肥満や高血圧の方に、右軸偏位は痩せ型の方によく見られます。
これ単独では「心臓の傾き」を示しているだけなので病気ではないことが多いですが、他の波形異常がある場合は、心肥大やブロックがないかを確認します。
時計方向回転 / 反時計方向回転
【どんな状態?】心臓の位置的な「ねじれ」
名前にインパクトがありますが、これは心臓の「個性」や「配置」によるもので、病気ではありません。
ほかに異常がなければ、安心して経過観察していただいて大丈夫です。
第1度房室ブロック
【どんな状態?】電気の伝わりがわずかに遅い状態
「ブロック」と言われると怖いですが、第1度は最も軽いもので、治療の必要がないケースが大半です。
ただし、加齢とともに進行することもあるため、年に1回の健診で変化がないかチェックしましょう。
R波増高不良(Poor R Progression)
【どんな状態?】波形の変化が弱い状態
過去の心筋梗塞の痕跡である可能性もありますが、実は「電極のズレ」や「体型」による見かけ上の異常であることも非常に多いです。
当院では心エコーを行い、心臓の動きに問題がないかを白黒はっきりさせます。
早期再分極(早期再分極症候群/J点上昇)
【どんな状態?】波形の回復が通常より早い
以前は健康な若い男性によく見られる「正常な波形」とされていましたが、近年ごく一部の方で不整脈との関連が指摘されています。
ご家族に突然死された方がいないか、失神したことがないか等の問診を行い、リスクを評価します。
QT延長
【疑われる病気】電解質異常、薬剤の影響、先天性素因
心臓が回復するまでの時間が延びている状態です。
飲んでいるお薬の影響や、電解質(カリウムなど)のバランス乱れで起こることがあります。
放置すると危険な不整脈につながる可能性があるため、一度専門医による正確な計測をお勧めします。
異常Q波(病的Q波)
【疑われる病気】陳旧性心筋梗塞(過去の心筋梗塞)
心電図に「深い谷」が見られる状態で、過去に心臓の筋肉がダメージを受けた痕跡を疑うサインです。
ただし、呼吸の状態によって健康な方でも出ることがあります(体位性Q波)。本当に心臓に傷があるのか、心エコー検査ですぐに判別できます。
ブルガダ型心電図(Brugada type)
【疑われる病気】致死性不整脈のリスク体質
特徴的な波形を示し、夜間の突然死や不整脈の原因となる体質です。働き盛りの中年男性に多く見られます。
指摘された場合は専門医による精密検査(リスク評価)が必要です。
WPW症候群(WPWパターン)
【疑われる病気】副伝導路(電気の抜け道)の存在
心臓の中に、生まれつき「余分な電気の通り道」がある状態です。
動悸の発作がある場合は治療が必要ですが、全くない場合は「WPWパターン」として経過観察で良いことがほとんどです。ご自身の状態がどちらなのか、一度ご相談ください。
スマートウォッチで「心房細動」と通知が出た方へ
その通知、無視しないでください。
最近、Apple Watchなどのスマートウォッチで「心拍数が高い」「心房細動の兆候がある」といった通知を受けて受診される方が急増しています。
「機械の間違いだろう」と自己判断して放置してしまうのは、実は非常に危険です。
1. 「心房細動」は脳梗塞の最大リスクです
心臓の中に血栓ができ、それが脳に飛んで重症の脳梗塞を引き起こす原因となります。自覚症状がないことも多いため、通知は早期発見のチャンスです。
2. スマートウォッチは「24時間の監視役」
病院の検査はその瞬間しか記録できませんが、ウォッチは24時間監視してくれています。近年の精度は医療現場でも無視できないレベルに向上しています。
3. 受診時は「スマホ」をそのままお見せください
「通知が出た履歴(心電図波形データ)」は、診断の決定的な証拠になります。データを消さずに、スマホ画面をそのまま医師にお見せください。
早期発見こそが、将来の寝たきりを防ぐ唯一の方法です。
通知に気づいたら、念のため当院へご相談ください。
異常を指摘されたら、まずは一度ご相談を
心電図異常の多くは、早期発見・早期治療でコントロール可能です。
「再検査に行くのが怖い」というお気持ちも分かりますが、何もないことを確認して安心するためにも、循環器専門医をご利用ください。
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