2026年4月27日

胸の違和感や息切れ、動悸、咳などの症状があるとき、循環器内科と呼吸器内科のどちらを受診すればいいのかと迷う方は少なくありません。
胸部に関係する診療科であるため、症状が似ている場合も多く、境界が分かりにくいケースもあります。
この記事では、循環器内科と呼吸器内科の違いを、診る臓器や症状、検査、治療などから整理して詳しく解説します。
どちらを受診すればいいのか不安な方、選択のポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
神戸市で循環器内科・呼吸器内科の受診をご検討の方は、
当院までお気軽にご相談ください
循環器内科と呼吸器内科はどう違う?

循環器内科と呼吸器内科は、どちらも胸部の症状を扱うことが多い診療科ですが、専門とする臓器や病気の種類が異なります。
ここでは、それぞれの診療科がどのような臓器や疾患を扱っているのかについて、解説します。
循環器内科
循環器内科は、心臓や血管の病気を専門に診る診療科です。
心臓は全身に血液を送り出す重要な臓器であり、その働きに異常が起こると、動悸や息切れ、胸痛、むくみなど、さまざまな症状が現れます。
循環器内科では、これらの症状が心臓や血管の異常によるものかどうかを見極め、必要な検査や治療を行います。
主に診る臓器
循環器内科が主に診るのは、心臓と血管です。
心臓そのものの構造や動きに加え、心臓に血液を送る冠動脈や、全身に血液を運ぶ大動脈、手足の末梢血管までを含めて診療対象です。
心臓の収縮力が低下すると、息切れや疲れやすさ、むくみなどの症状が出ることがあります。
また、血管が狭くなったり詰まったりすると、胸痛や手足のしびれ、冷感などが現れることもあります。
このように、循環器内科では、心臓と血管を一体としてとらえ、全身の状態を評価する点が特徴です。
代表的な疾患
循環器内科で診療される代表的な疾患には、以下のようなものが挙げられます。
- 不整脈(脈の乱れ、動悸など)
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 心不全
- 高血圧症
- 弁膜症
- 動脈硬化性疾患(大動脈瘤、末梢動脈疾患など)
これらの疾患は、早期に発見して治療や管理を行うことで、重症化を防げるケースも少なくありません。
動悸や胸の違和感、息切れなどが続く場合には、循環器内科での診断を受けることが重要です。
呼吸器内科
呼吸器内科は、肺や気道を中心とした、呼吸に関わる病気を専門に診る診療科です。
呼吸器に異常が起こると、咳や痰、息切れ、胸の違和感といった症状が現れます。
これらは循環器の病気でも見られるため、区別がつきにくいこともあります。
主に診る臓器
呼吸器内科が主に診る臓器は、肺と気道です。
鼻やのどよりも下の、気管・気管支、肺胞といった、呼吸に直接かかわる部位を対象とします。
肺や気道に炎症や狭窄が起こると、咳や息苦しさ、呼吸時の違和感などが生じます。
呼吸器内科では、呼吸のしやすさや肺の働きがどの程度保たれているかを重視する診療が特徴です。
代表的な疾患
呼吸器内科で診療される代表的な疾患には、以下のようなものがあります。
- 気管支喘息
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺炎
- 気管支炎
- 間質性肺炎
- 肺結核
- 肺がん
これらの疾患では、咳や痰、息切れなどの症状が長引くことがあります。
症状が改善しない場合や、徐々に悪化していると感じる場合には、呼吸器内科の受診が推奨されます。
症状が似ている場合もある
循環器内科と呼吸器内科は、扱う臓器や病気は異なりますが、現れる症状が似ているケースも少なくありません。
例えば、心不全では心臓のポンプ機能が低下することで肺に血液がうっ滞し、息切れや呼吸困難が生じます。
一方、気管支喘息やCOPDなどの呼吸器疾患でも、気道が狭くなることで似たような息苦しさを感じることがあります。
症状だけで原因を判断するのは困難なため、判断に迷う場合には、どちらか一方を受診して、必要に応じて専門科へ紹介されるのが一般的です。
症状別の受診の目安

循環器内科と呼吸器内科のどちらを受診すべきかは、症状の内容や現れ方によっておおまかに判別できます。
ただし、症状が重なり合うケースもあるため、あくまで目安として考えておきましょう。
循環器内科向きの症状
循環器内科の受診が向いているのは、心臓や血管の異常が疑われる症状がある場合です。
代表的なのが、動悸や脈の乱れ、胸の圧迫感や締め付けられるような痛み、動作時の息切れなどです。
また、横になると息苦しくなる、足のむくみが続く、体重が急に増えたなどの症状は、心不全のサインである可能性があります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病がある方では、心臓や血管の病気が隠れていることも少なくありません。
呼吸器内科向きの症状
咳や痰が続く、呼吸の際に苦しさを感じる、ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴がある場合には、呼吸器内科の受診が向いているでしょう。
これらは、肺や気道に炎症や狭窄が起きている可能性を示す症状です。
特に、風邪が治った後も咳が長引く場合や、発熱を伴う呼吸苦、痰の色が濃くなっている場合などは、肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患が疑われます。
また、喫煙歴があり、徐々に息切れが進行している場合には、COPDの可能性も考えられます。
迷いやすい症状
息切れや胸の違和感、呼吸のしづらさ、倦怠感などは、循環器と呼吸器のどちらの病気でも起こることがあるため、受診先に迷いやすい症状です。
動いたときに息が切れる場合は心臓の問題が疑われますが、咳や痰を伴う場合には、呼吸器の病気の可能性もあります。
また、心臓と肺の病気が併存していて、呼吸器の病気が心臓に影響を及ぼすケースや、その逆も起こり得ます。
例えば、COPDや気管支喘息などの慢性的な呼吸器疾患がある方は、低酸素状態や肺への負担が心臓に影響し、不整脈や心不全を併発することがあります。
緊急受診が必要な場合
強い胸痛、呼吸困難、意識障害などがある場合は、緊急性の高い状態です。
心筋梗塞や重度の不整脈、肺塞栓症など、早急な対応が必要な病気のサインである可能性があります。
安静にしていても息が苦しい、唇や指先が紫色になる、呼吸が浅く早くなるといった症状があるときにも、注意が必要です。
このようなケースでは、診療科を迷うよりも、救急外来の受診が優先されます。
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検査の違い

循環器内科と呼吸器内科では、症状が似ていても、原因を探るための検査の視点が異なります。
ここでは、それぞれの診療科で基本となる検査と、必要に応じて追加される検査について解説します。
循環器内科で行われる基本的な検査
循環器内科では、心臓や血管の状態を把握するために、心臓の動きや拍動、血液の流れを検査するのが一般的です。
最初に行われることが多いのは心電図で、不整脈や虚血の兆候を確認する検査です。
必要に応じて心エコーで心臓の収縮力や弁の動き、心腔の大きさなどを評価します。
血液検査では、心不全の指標となる検査項目や、動脈硬化のリスクに関わる数値などが関連する項目をチェックします。
循環器内科は、これらの検査を組み合わせることで、心臓の機能や血行動態を総合的に判断する診療科です。
呼吸器内科で行われる基本的な検査
呼吸器内科は、肺や気道の状態、呼吸機能を評価する検査が中心です。
代表的なのは胸部X線検査で、肺炎や腫瘍、肺の陰影などの有無を確認します。
より詳細に構造を確認するために、CT検査が行われることもあります。
また、呼吸器内科では、肺活量や気道の狭さを測定する呼吸機能検査が行われることも多いです。
必要に応じて血液検査や喀痰検査が追加され、感染症や炎症の有無を確認することもあります。
追加の検査が行われることもある
症状や基本検査の結果によっては、循環器内科・呼吸器内科のいずれも、追加の検査が検討されることがあります。
循環器内科では、ホルター心電図や画像検査などが追加されることがあります。
一方、呼吸器内科で追加されることが多いのは、精密な画像検査や酸素の取り込み状態を調べる検査です。
また、原因がはっきりしない場合には、心臓と肺の両方を検査するケースも考えられます。
検査を行うのは、原因を明らかにすることが目的であるため、診療科の枠にとらわれないことも大切です。
治療の違い

循環器内科と呼吸器内科では、診断される病気が異なるため、治療にも違いがあります。
症状や病気によっては、両者の治療を並行して行うような、連携が必要なケースもあります。
循環器内科の治療の特徴
循環器内科では、病気の進行を抑え、心臓への負担を減らすことを目的に、長期的な管理が行われる点が特徴です。
| 代表的な病気 | 主な治療法 |
|---|---|
| 不整脈 | 抗不整脈薬、β遮断薬、カテーテル治療、ペースメーカー治療など |
| 狭心症 | 抗狭心症薬、抗血小板薬、カテーテル治療など |
| 心筋梗塞 | カテーテル治療、抗血小板薬、抗凝固薬など |
| 心不全 | 利尿薬、心機能を調整する薬、生活指導など |
| 高血圧症 | 降圧薬、生活習慣の改善など |
| 弁膜症 | 薬物療法、カテーテル治療、外科的手術など |
薬だけでは十分な効果が得られない場合は、カテーテル治療や手術などが検討されることもあります。
呼吸器内科の治療の特徴
呼吸器内科では、症状のコントロールと呼吸機能の維持を重視し、慢性疾患では継続的な管理が必要となるケースも多いです。
| 代表的な病気 | 主な治療法 |
|---|---|
| 気管支喘息 | 吸入ステロイド、気管支拡張薬、アレルゲン対策など |
| COPD | 吸入薬、禁煙指導、呼吸リハビリテーション、酸素療法など |
| 肺炎 | 抗菌薬、抗ウイルス薬(原因によって異なる)、重症例では入院治療など |
| 気管支炎 | 薬物療法、安静など |
| 間質性肺炎 | 抗炎症薬、免疫抑制薬、酸素療法など |
| 肺がん | 手術、抗がん剤治療、放射線治療など(他科と連携) |
呼吸器内科で扱う疾患では、日常生活での呼吸のしやすさを改善することが、治療の目標とされています。
連携が必要なケース
心臓と肺は密接に関係しているため、循環器内科と呼吸器内科の連携が必要になるケースも見られます。
代表的なのが、心不全と肺疾患の併存です。
例えば、心不全が進行すると肺に血液がうっ滞し、息切れや呼吸困難が生じやすくなるため、心臓と肺の両面から治療を進める必要があります。
また、肺塞栓症や肺高血圧症は、循環器と呼吸器の境界に位置する疾患です。
肺の血管が詰まったり、圧が高くなったりすることで、呼吸器症状と循環器症状の両方が現れます。
さらに、糖尿病やがんなどの基礎疾患を持つ場合も注意が必要です。
糖尿病は動脈硬化を進行させ、心疾患のリスクを高める一方、感染症や呼吸機能低下を招くこともあります。
がん治療に伴う薬剤や放射線の影響が、心臓や肺の機能に影響することもあるため、診療科をまたいだ管理が重要です。
循環器内科と呼吸器内科で迷ったときのポイント

どちらの科でも起こり得る症状の場合、どこへ行けばいいのか迷って受診が遅れてしまう恐れがあります。
無理に自己判断しようとせず、以下のようなポイントを考えてみましょう。
初診に迷ったときの相談先
受診先に迷ったときは、かかりつけ医や総合内科を窓口にするのもひとつの方法です。
一般内科では、症状や既往歴、生活習慣などを踏まえて初期の診断を行い、必要に応じて循環器内科や呼吸器内科へ紹介できます。
症状だけで病気を特定するのは困難なため、どちらかを受診しても、他科への紹介になる可能性があります。
専門科を選ばなくても、相談しやすい医療機関を受診することが、治療の第一歩です。
紹介状があれば検査が重複しない
他の医療機関を受診して検査を行っている場合は、紹介状を持参することで、検査の重複を避けられることがあります。
循環器内科と呼吸器内科では、胸部X線や血液検査など共通する検査も多いため、過去の検査結果を共有することが大切です。
科を移っても検査結果やこれまでの症状の経過や治療内容などの情報を持っていけるため、身体や費用の負担の軽減にもつながります。
受診前に情報を整理してみる
受診前に情報を整理しておくことで診察や診療科の選択がスムーズになります。
- 【症状の内容】どのような症状があるか
- 【症状が出始めた時期】いつから症状があるか、徐々に悪化しているか
- 【症状が強くなるタイミング】動いたとき、横になったとき、夜間など
- 【伴う症状】発熱、痰、むくみ、めまい、冷や汗、体重増加など
- 【これまでに診断された病気】心疾患、肺疾患、高血圧、糖尿病などの既往歴
- 【服薬中の薬】心臓や呼吸器に関する薬、その他の常用薬
- 【生活習慣】喫煙歴、仕事や運動量など
これらの情報を記録して整理しておくことで、医師が原因を判断しやすくなり、適切な診療科への案内や詳しい検査につながります。
まとめ
循環器内科と呼吸器内科は、どちらも胸部の症状を扱う診療科ですが、専門とする臓器や病気、検査・治療などに違いがあります。
ただし、息切れや胸の違和感などの症状は、心臓と肺のどちらの病気でも起こることがあり、両方の診療科が関係する病気も少なくありません。
循環器内科と呼吸器内科の違いを理解し、症状に応じて適切に受診することが、早期発見・早期治療につながります。
受診先に迷った場合は、かかりつけ医や総合内科へ相談すると、適切な診療科へ紹介できるため、我慢せず早めに医療機関を受診しましょう。
おおや内科 糖尿病・心臓クリニックは、循環器内科と総合内科・呼吸器内科を併設しています。
似ている症状で受診先に迷ったときも、総合内科で全身の診察をして、循環器専門医が心臓の病気の可能性を考えたうえで、原因の鑑別が可能です。
循環器内科と呼吸器内科の違いが分からず、どちらを受診すればよいのか不安な方は、おおや内科 糖尿病・心臓クリニックへご相談ください。
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