2026年6月08日

生活習慣病は、日々の食事や運動、喫煙、飲酒などの積み重ねによって、発症リスクが高まる病気の総称です。
自覚症状がないまま進行するケースも多く、「気づいたときにはすでに重症化して治療が必要な状態だった」ということも少なくありません。
この記事では、生活習慣病の基本的な考え方や予防のポイント、健診の重要性について詳しく解説します。
生活習慣病予防のための知識に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
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生活習慣病が気になる方は、
当院までお気軽にご相談ください
生活習慣病とは
生活習慣病は、特定の原因菌などによって起こるのではなく、長年の日常生活の過ごし方が発症や進行に深く関わる病気です。
かつては成人病と呼ばれていましたが、年齢に関係なく発症する可能性があることから、現在は生活習慣病と呼ばれています。
生活習慣病の定義
生活習慣病とは、食生活の乱れ、運動不足、喫煙、過度な飲酒など、日々の生活習慣が発症や進行に関与する病気の総称です。
(参照:「生活習慣病とその予防」日本生活習慣病予防協会)
健康的と言えない生活習慣が関係している病気であり、逆に言うと生活習慣次第で発症を防げる可能性が高まる病気です。
病気になってから治療するのではなく、生活習慣を見直すことで予防や重症化防止につなげることが基本となります。
生活習慣病の特徴
生活習慣病の大きな特徴は、初期段階では自覚症状がほとんどないという点です。
体調に変化を感じないまま進行し、健診で初めて異常を指摘されるケースが多々あります。
また、発症後は長期間にわたる治療や生活管理が必要になることが多く、症状が落ち着いても、生活習慣が戻ると再び悪化する可能性があるため、継続的な対策が求められます。
生活習慣病に対する国の取り組み
生活習慣病は個人の問題に留まらず、医療費の増加や社会全体への影響が大きいことから、国としても予防を重視した取り組みが進められています。
例えば、特定健診や特定保健指導の勧めです。
これらの制度では、生活習慣病のリスクを早期に把握し、必要に応じて生活習慣の改善を支援することを目的としています。
また、健康づくりに関する啓発活動やガイドラインの整備など、病気になる前の段階に焦点を当てた施策が行われています。
代表的な生活習慣病
生活習慣病は範囲が広く、命に関わる重大疾患として3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)が挙げられます。
日常の生活習慣に影響を受ける、7大生活習慣病(3大疾病+糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全)と整理されることがあります。
ほかにも生活習慣が影響する病気も含め、代表的なものは以下の通りです。
| 疾患名 | 主な特徴 |
|---|---|
| がん | 大腸がん、肺がんなど(生活習慣との関連が指摘される種類のがん) |
| 心疾患 | 心筋梗塞・狭心症など |
| 脳血管疾患 | 脳梗塞・脳出血など |
| 2型糖尿病 | 血糖値が慢性的に高い状態が続く |
| 高血圧症 | 血圧が高い状態が持続 |
| 脂質異常症 | LDLコレステロールや中性脂肪の異常 |
| 肥満 | 体脂肪が過剰に蓄積した状態 |
| 高尿酸血症・痛風 | 尿酸値が高く、関節炎を起こす |
| 歯周病 | 歯茎の炎症や歯槽骨の破壊 |
| 肝疾患 | 脂肪肝・アルコール性肝疾患など |
| 慢性閉塞性肺疾患(COPD) | 呼吸機能が低下する |
※がんは生活習慣病そのものではなく、生活習慣が発症リスクに関与するものがあるため、予防の観点で関連づけて扱われています。
複数の生活習慣病が重なって発症し、互いに悪影響を及ぼすケースも少なくありません。
生活習慣病は予防を重視
循環器専門医として日々診療していると、「もう少し早く血圧や血糖値に対処していれば、心筋梗塞や心不全を防げたかもしれない」と感じる患者さんに多く出会います。生活習慣病は、以下のような理由から、早期の予防が極めて重要であると考えています。
重篤な合併症につながることがある
生活習慣病は、単独で完結する病気ではありません。
糖尿病や高血圧、脂質異常症などが重なることで、全身の血管が硬く狭くなる「動脈硬化」が進行します。その結果、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる三大疾病を引き起こすのです。
発症後は長期的な治療や管理が必要になる
生活習慣病の多くは、一度発症し進行してしまうと長期間にわたる治療や管理が必要です。
薬を飲んで数値が落ち着いても、生活習慣が変わらなければ根本的な解決にはならず、通院の負担が一生続くこともあります。
早期対策でリスクを大きく軽減できる
生活習慣病は、早い段階で生活を見直すことで、発症や進行のリスクを劇的に下げることができます。
健診で少し数値が高めと指摘された時こそが、最大の予防のチャンスなのです。
子ども・若者の生活習慣病
生活習慣病は、以前は成人病と呼ばれ、中高年の病気のイメージがありますが、近年は子どもや若者もリスクが高まっていて、注意が必要です。
外遊びや運動の機会が減り、食生活の欧米化が重なることで、肥満や脂質異常、血糖値の異常などが若い世代から見られる傾向があります。
また、夜更かしやスマートフォンの長時間使用による睡眠不足で、自律神経の乱れや食生活の乱れにつながるケースもあります。
予防の基本「一無、二少、三多」の考え方
「一無(いちむ)、二少(にしょう)、三多(さんた)」とは、日本生活習慣病予防協会が提唱する、日常で心がけたい生活習慣を表現した健康標語です。
(参照:「一無、二少、三多で生活習慣病を予防」日本生活習慣病予防協会)
生活習慣は、年齢や体調、生活環境によって大きく異なります。
そのため、無くす、少なくする、増やすの方向性を意識しながら、自分にとって調整しやすい部分から見直すのが前提になります。
すべてを一度に変えなくても気にせず、無理なく続けられる形を探すことが重要です。
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一無|無くす習慣
「一無」は、生活習慣病予防の中でも、優先して見直すべきとされる、手放す考え方です。
無煙・禁煙のすすめとして、喫煙に関する習慣について解説します。
喫煙習慣を無くす(禁煙)
タバコの煙に含まれる有害物質(ニコチン・一酸化炭素・タール・活性酸素を発生させる物質)は、血管や臓器に直接影響を及ぼします。
喫煙によって血管の内側が傷つき、動脈硬化が進行すると、高血圧症や心疾患、脳血管疾患のリスクが高まることが知られています。
糖代謝にも悪影響があり、インスリンの働きを低下させ、血糖値が上がりやすい状態を招き、糖尿病の発症や重症化につながるため、注意が必要です。
また、がんの発症リスクを高める要因でもあり、肺がんだけでなく、口腔がん、食道がん、胃がんなど、複数の関連が指摘されています。
生活習慣病予防の観点では、減煙だけでは十分とは言えず、喫煙習慣を無くすこと(禁煙)が、複数の疾患リスクを同時に下げる対策になります。
受動喫煙を避ける
自分が喫煙しなくても、周囲のタバコの煙を吸い込む受動喫煙でも、健康に影響が及ぶことがあります。
喫煙者が吸い込む主流煙だけでなく、燃焼部分から立ち上る副流煙の方が、有害物質の濃度が高いとされています。
特に、子どもや持病のある方、高血圧症や心疾患、脳血管疾患のリスクがある方にとっては、注意が必要です。
禁煙環境を選ぶ、家庭内で喫煙ルールを設ける、煙が発生しやすい場所を避けるなど、調整できる範囲から対策をしましょう。
二少|少なくしたい習慣
「二少」は、生活習慣病予防において、完全に断つのが難しい習慣を、無理のない範囲で減らすことです。
食事や飲酒は日常と深く結びついていて、極端な制限は長続きしないため、量や回数、タイミングを見直すことが重要です。
少食(腹八分目)
単に食べる量を減らすことではなく、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを整えることを意識するのが大切です。
食べ過ぎが続くと、肥満や脂質異常、血糖値の上昇につながり、複数の生活習慣病リスクが重なってしまいます。
満腹になるまで食べる習慣を見直し、腹八分目を意識するとよいでしょう。
また、食事のスピードが速いと満腹感を得られず、食べ過ぎてしまう傾向があるため、ゆっくりよく噛んで食べてください。
少酒(適度な飲酒)
毎日の過度な飲酒は、肝臓に負担をかけるだけでなく血圧も上昇させます。
純アルコール量で1日約20g以下で、ビール中瓶1本、日本酒1合程度に相当します。
飲酒の頻度やタイミングも重要で、たとえ量が多くなくても毎日の飲酒習慣があると、肝臓が休む時間を確保できません。
アルコール性肝疾患や脂肪肝のリスクを軽減するためにも、休肝日を決めておきましょう。
飲酒量や頻度・飲み方が与える影響を考え、身体への負担が少ない形に調整するのが、少酒の考え方です。
三多|増やしたい習慣
「三多」は、生活習慣病予防において、意識的に取り入れたい行動の方向性を示す考え方です。
無理な運動や特別な習慣を新しく始めるわけではなく、今の生活の中で少し増やせることを見つけることがポイントです。
多動(身体を動かす)
多動とは、運動量を増やすというよりも、日常の中で身体を動かす機会を増やす意識です。
激しい運動量は難しくても、活動量を増やすだけでも、エネルギー消費や血糖値、脂質代謝に良い影響が期待できます。
例えば、なるべく階段を使う、いつもより10分多く歩くようにするなど、小さな行動の積み重ねが大切です。
運動習慣がない方ほど、今より10分でも、動かない時間を減らしていくことを心がけましょう。
多休(しっかり休む)
多休は、十分な休養や睡眠を確保することを指します。
睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが乱れ、血圧や血糖値が上がりやすくなります。
また、食欲を調整するホルモンの働きにも影響し、過食につながるケースもあるため注意が必要です。
生活習慣病予防では、睡眠時間の長さだけでなく、生活リズムを整えることが重要です。
就寝・起床時間を大きくずらさない、就寝前の飲酒やスマートフォン使用を控えるなど、休むための環境づくりも多休に含まれます。
多接(人や社会と接する)
多接とは、人との関わりを増やすことです。
人との交流は、ストレスの軽減や生活リズムの安定にもつながると考えられています。
孤立した生活が続くと、生活習慣が乱れやすくなり、体調管理への意識も低下する可能性があります。
家族や友人との会話、地域活動への参加など、社会的つながりをもつことを心がけましょう。
自分にとって、負担の少ない関わりを維持して、心身のバランスを保つことが大切です。
生活習慣病予防健診の重要性
生活習慣病は、自覚症状がないまま進行することが多いため、体調に変化がなくても、定期的に健診を受けて状態を確認することが予防の基本です。
ここでは、生活習慣病予防健診の役割について解説します。
生活習慣病予防健診とは
生活習慣病予防健診とは、血液検査や身体計測などを通じて、生活習慣病のリスクを早期に把握することを目的とした健診です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の加盟者(35~74歳)は、一般健診で費用の補助が受けられます。
(参照:「健診のご案内」全国健康保険協会)
血圧、血糖、脂質、肝機能など、生活習慣の影響を受けやすい項目を中心に確認するのが一般的です。
これらの検査は、病気を確定するものではなく、今後の生活習慣を見直すためのきっかけになるものです。
生活習慣病のリスクを早期に数値で把握できる
生活習慣病予防健診は、身体の状態を数値で客観的に把握できる点が特徴です。
体重や腹囲、血圧、血糖値、コレステロール値など、自分では気づけない身体の内部の変化を数値で知ることができます。
年齢や健診結果、希望に応じて、追加検査を受けて詳しく調べることも可能です。
例えば、乳がん検診や肝炎ウイルス検査、肺機能検査などを追加し、隠れている生活習慣病のリスクを確認することができます。
生活習慣病の早期発見につながる
生活習慣病の多くは、初期段階では症状がほとんどなく、気づかない方も少なくありません。
健診によって異常を早期に把握できれば、重症化する前に生活改善に取り組むことができます。
例えば、血糖値や血圧が基準値を超えていても、早い段階で生活習慣を見直すことで、治療が必要な状態に進行するのを防ぐ可能性があります。
健診は、病気になる前のサインを見逃さないためのツールと捉え、定期的に受けて病気の早期発見につなげましょう。
変化の推移を確認し、重症化を防ぐ
生活習慣病予防健診は、毎年の結果を比較することに大きな意味があります。
体重や腹囲、血圧、血糖値、肝機能などは、生活習慣の変化による結果が、比較的早く数値に現れます。
前年より数値が改善されていれば、予防や対策に取り組んだ結果が反映されたと判断できます。
細かく推移を確認することで、変化に気づきやすくなり、生活習慣の見直しがより具体的になるため、健診結果を正しく活用しましょう。
まとめ
生活習慣病は、日々の生活の積み重ねが身体に影響して発症する病気の総称です。
今の習慣をどのように見直し、改善するかが、将来の健康寿命を左右する重要なポイントとなります。
「一無・二少・三多」の考え方を意識し、自分に合った形で少しずつ生活を整えていくことが、将来的なリスクを下げることにもつながります。
生活習慣病予防健診を定期的に受けて、見直すポイントを意識しながら、健康的な生活を心がけましょう。
おおや内科 糖尿病・心臓クリニックは、循環器内科、糖尿病・代謝内科、総合内科・呼吸器内科を併設し、専門医の視点から生活習慣病の予防と治療を行っております。全身の血管を守るという観点から、お一人おひとりの生活背景に合わせた無理のない改善策をご提案いたします。
健診で数値の異常を指摘された方、生活習慣病予防に本格的に取り組みたい方は、重症化する前にぜひおおや内科 糖尿病・心臓クリニックへご相談ください。
神戸市で
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